2017/01/27

標準レンズの流れが変わった

 レンズ設計の歴史が大きく変わり始めている。

 もともとレンズの設計しやすい標準域は、一眼レフが主流になってからダブルガウス型が不動の地位を占めてきた。

Planar_1896

それ以前のミラーのないレンジファインダーカメラの頃はゾナーにやや軍配が上がる状況ではあったが、一眼レフのバックフォーカスの身近さがゾナーには不利に働いた。

Sonnar

ゾナー対ズマール、大口径レンズ競争

第二次世界大戦前の時点において、ダブルガウス型大口径レンズの代表的存在はズマール50mmF2、非対称型の同じく大口径レンズの代表的存在はゾナー50mmF2であった。

当時、

  • ダブルガウス型はその対称性により歪曲収差が抑えられている。一方、ゾナーは非対称のため比較すると歪曲収差が大きい。

という点はダブルガウス型が有利であった。しかし、

  • ダブルガウス型においてコマ収差を充分に抑える手法が未発達であった。一方、ゾナーはコマ収差をよく抑えていた。
  • ダブルガウス型は空気面が多く、コーティングが発達する以前の当時は反射の点でも不利であった。一方、ゾナーは貼合せにより空気面を減らしていた。

といったようにゾナーに軍配が上がる点が多く[2]、特に入射角度15から16度の画面中央に向かう光束についてゾナーのコマ収差はズマールの半分程で、開放からシャープなレンズという定評が出来、大口径レンズではダブルガウス型はゾナーに一歩引く扱いであった。

戦後、前述のようなダブルガウス型に不利な点は新しい硝材と設計手法やコーティングの発達により克服されてゆき、ダブルガウス型は大きく発展していった。1950年代前後に日本で起きた大口径レンズ競争では、この両者が有力な選択肢となった

一眼レフカメラとともに発展

レンズ交換式カメラの主流がレンジファインダーカメラに代わって一眼レフカメラになって来ると、ミラーの可動域を確保するためバックフォーカスがある程度必要であり、バックフォーカスを短くできないゾナーは標準レンズとしての使用が難しくなった。またコーティング技術の発達により群の数が多くても大きな欠点とはならなくなって来た。これらのことから次第に有力な選択肢となり、標準レンズや大口径望遠レンズのほとんど全てがダブルガウス型で設計されるようになって行った。

とまぁ、かくなる経緯で標準から、準望遠(85mm)、準広角(35mm)まで、ダブルガウス型が標準としての地位を確保してきたというわけだ。

 ところが、50年以上続いた状況の潮目が完全に変わった。割って這い入ってきたのはレトロフォーカスだ。

Distagon

この形式は広角レンズに使われる形式で望遠レンズをひっくり返したような構成を持つ。この形式が採用されるに当たっての詳しい事情は、本家といってもいいツアイスに聞いてもらおう。


メーカー直撃インタビュー:伊達淳一の技術のフカボリ!

Carl Zeiss Milvusシリーズ

ツァイスとコシナによる共同開発はどのように進められたか?

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 MTFを見ると明らかに新しいディスタゴンタイプのものの方が開放時は解像性能が高いのは一目瞭然だ。

 今までは、標準域のこの性能の劣化は当たり前のこととして撮り方で対応してきたわけだ。逆に言えばこの性能劣化を使いこなしていたともいえる。

 確かに、広角域では、画面周辺部までしっかり結像する必要がある。ただ、標準域のように主題が明確である場合は、背景を整理したい場合も多いのだ。そのようなときダブルガウスの性能劣化部分が逆に活きる。

 今後、標準域のダブルガウス形式のレンズが出るとは思えないので、もし手持ちがないのならば、中古で充分なのでダブルガウス形式のレンズは一本もって老いた補王が良いね。ぼくはそう思う。

 このあたりの感性の違いは、AF以前、以後で違うのではないかと感じる。

2017/01/26

パナソニック、LUMIX GH5を国内向けに発表

GH5

マイナビニュースによると概要は以下の通り。

パナソニックは1月25日、マイクロフォーサーズ規格のミラーレス一眼カメラ「LUMIX GH5 (DC-GH5)」を日本国内に向けて発表した。3月23日の発売を予定している。価格はオープンで、推定市場価格は、ボディ単体が240,000円前後、標準ズームレンズ (12-60mm/F3.5-5.6) 付属キットが270,000円前後。

LUMIX GH5は、2016年9月の「Photokina 2016」で開発発表、直近1月4日の「CES 2017」で欧米向けに正式発表されたLUMIXシリーズの最上位モデルだ。イメージセンサーには新開発の有効2,033万画素Live MOSセンサー (ローパスフィルターレス)、画像処理エンジンには10世代目となる「ヴィーナスエンジン」を搭載し、LUMIX史上最高の写真画質をうたう。

4K/60Pの動画撮影機能、約1,800万画素・秒間30コマの記録が可能な「6K PHOTO」機能を搭載するほか、4K PHOTOでは秒間60コマ連写、4K動画ではプロ仕様の10bit 4:2:2のフォーマットをサポートする。4K/60pの動画撮影機能はミラーレス一眼カメラとして世界初、10bit 4:2:2への対応はレンズ交換式カメラとして世界初となる (ともに同社調べ) 。

手ブレ補正機能の「Dual I.S.2」は、ボディ内の5軸補正機構とレンズ側の2軸補正機構を同時に機能させ、シャッター速度5段分の効果を提供する。AFポイント数は、GH4の48点から225点へと飛躍的に増加。空間認識技術「DFDテクノロジー」に磨きをかけ、最速0.05秒のAF速度を実現した。また、AF追従で秒間9コマの連写を可能とした。

通信機能として、11ac対応のWi-Fi、Bluetooth 4.2 (BLE対応) を搭載。SDカードスロットを2基備え、UHS-II、U3規格をサポートする。ボディは、防塵・防滴・-10℃の耐低温設計となっている。

主な仕様は以下の通り。

  • レンズマウント : マイクロフォーサーズ
  • 撮像素子 : 有効2,033万画素 4/3型Live MOSセンサー
  • 画像処理エンジン : ヴィーナスエンジン (第10世代)
  • シャッタースピード : 1/8,000~60秒
  • 感度 : ISO200~25600、拡張ISO100
  • AFポイント : 225点
  • 電子ビューファインダー : 約368万ドット OLED、視野率 約100%、倍率 約1.52倍
  • 液晶モニター : 3.2型、約162万ドット、バリアングル式
  • 本体サイズ : 約138.5×98.1×87.4mm
  • 重さ : 約645g (本体のみ)、935g (標準ズームレンズ装着、バッテリーとメモリーカード含む)

 

 詳細はパナのサイトを見てもらうして、個人的な最大の注目点は以下の機能だ。

JYOI

 この機能はあちこちのSNSで書き散らかしてきたぼくが最良と思うフォーカス選択の方法だ。すでに同様の機能を提供している一眼などもあるが、この機能は像面位相差やコントラスト方式のAFシステムに搭載してこそ本領を発揮するものなのだ。それがやっと実現されたということになる。

 ぼくにとってはこれだけでも買う価値がある。

 なんとも感慨深い。

 以前からの以下の秀逸なAF機能も平行して搭載されるようだ。

TP

2017/01/16

2017 Eマウントレンズ - 極私的ベストバイ

もともとAマウント使いだったので、まだレンズの揃わなFEマウントなど全く使う気がなかったのですが、マウントアダプタを使うとMマウントのレンズが使えるということで使い始めました。MマウントのBiogon が使いたかったのですが、さすがに周辺の解像が出来ないのには少々がっかりしましたが、このカメラこそはユニバーサルマウントなのだと確信しました。ミラーレス専用以外のほとんどのレンズが使えてしまうのです。ということで、ほとんど使っていなかった35mm版、いわゆる、フルサイズが現在のメインフォーマットになったというわけです。FEマウントが出ていなかったらそのようなことはなかったでしょう。

まぁ、カメラ使いにしかわからないかもしれませんが、ひとつのカメラで他社のレンズが自在に使えるということは素晴らしいことなのです。

というのもつかの間、レンズが揃ってしまいましたねぇ・・・何不自由ない状態です。ということで、ほかのマウントのレンズを使うことは極端に少なくなってしまいました。ということで、FEマウントのベストバイです。 

最近は、ライブの撮影が多く、解像感などほとんど気にしませんので、以前ほど解像に関しては評価していませんというより、カメラが1,200万画素しかありませんので評価のしようもありません。ぶっちゃけ1,200万画素なら今あるレンズは全て優秀ということになります。同じシリーズに4,200万画素の機体もありますが、全く興味がありません。でも、解像感などをテストするならそれが要ります。その点も考慮に入れて評価しました。


 

batis225_product
Batis 2/25
焦点距離25 mm
絞り値f/2 – f/22
最短撮影距離0,2 m (7.9 ″) – ∞
レンズ構成10/8
画角:対角/水平/垂直82° / 72° / 51°
最短撮影距離における撮影範囲124 x 187 mm (4.9 x 7.4″)
フィルター径M67 x 0,75
サイズ(レンズキャップ含む)92 mm (3.6″)
ピントリング最大径78 mm (3.1″)
重量335 g (0.74 lbs)
レンズマウントE-Mount 
YODOBASHI価格¥149,710

個人的にはどうと言うことはないレンズです。普通によく映ります。レンズ形式はディスタゴン。うーん、それ以上書くことはないです。MマウントのBiogon2.8/25 だと書きたいことはたくさんあるのですが・・・コントラストの色気がめちゃ強烈なのです。

 でも、ズームを使うよりはうんといい絵になりますし、35mm版で使う意味があります。

 

loxia235_product
Loxia 2/35
焦点距離35 mm
絞り値f/2.0 – f/22
最短撮影距離0,30 m (11.81‘‘) – ∞
レンズ構成9 / 6
画角:対角/水平/垂直63,02° / 54,06° / 37,57°
最短撮影距離における撮影範囲210,2 mm x 139,4 mm (8.28‘‘ x 5.49‘‘)
フィルター径M52 x 0.75
サイズ(レンズキャップ含む)66,0 mm (2,60‘‘)
ピントリング最大径62,1 m (2.44‘‘)
重量340 g
レンズマウントE-Mount
YODOBASHI価格:¥139,860

 正直、このレンズのためにEマウントを使いはじめたのです。当初はMマウントのBiogon2/35を使っていました。周辺の像の流れが酷い。中央以外のかなりの部分にまで影響が出ていました。それでもなお使う価値のあるレンズでしたが、このレンズが登場したからにはBiogon2/35を使う理由は無くなりました。

 上記問題をほとんど気にならないレベルにまでさげてあります。この形式のレンズはもとより周辺光量の不足が問題なのですが、それも補正されています。光学だけで完璧な歪曲補正を成し遂げた、比べるもののない唯一無二のレンズです。

 

SEL55F18Z
Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA
型名SEL55F18Z
レンズマウントソニー Eマウント
対応撮像画面サイズ●35mmフルサイズ
焦点距離(mm)55
焦点距離イメージ(mm) 82.5
レンズ構成 (群-枚)5-7
画角 (APS-C)29
画角 (35mm判)43
開放絞り (F値)1.8
最小絞り (F値)22
絞り羽根 (枚)9
円形絞り○
最短撮影距離 (m)0.5
最大撮影倍率 (倍)0.14
フィルター径 (mm)49
ADI調光対応-
手ブレ補正-
手ブレ補正段数-
テレコンバーター (1.4x)-
テレコンバーター (2.0x)-
フードタイプ花形バヨネット式
外形寸法 最大径x長さ (mm)64.4 x 70.5
質量 約 (g)281
希望小売価格99,000円+税

 ソニーツアイスです。良いレンズです。解像感が素晴らしい。ボケ味もそこそこきれいです。惜しむらくは・・・解像感が高すぎます。開放はもちっとゆるいほうが良かったのではと思います。ソフトな表現をしたい場合はほかのレンズを使ったほうが良いかもね。この領域ではありがちな話です。そんな表現はしないよという人はその限りではないが、ぼくは、人物を撮ることが多いので普通にあることです。

 

batis1885_product
Batis 1.8/85
焦点距離85 mm
絞り値f/1.8 – f/22
最短撮影距離0,80 m (2.6 ft) – ∞
レンズ構成11/8
画角:対角/水平/垂直29° / 24° / 16°
最短撮影距離における撮影範囲189 x 283 mm (7.4 x 11.1″)
フィルター径M67 x 0,75
サイズ(レンズキャップ含む)105 mm (4.1″)
重量475 g (1.0 lbs)
レンズマウントE-Mount 
YODOBASHI価格:¥144,160

 じつは、そんなに期待していなかったのです。今や、もう手放せません。ソニーからももっと解像感の高いGMレンズが出ましたが、そいつは次点です。85mmなりの大きさはあります。でも軽い。おまけに手ブレ補正がついている。このふたつの利点は動画撮影で威力を発揮します。

 スチル撮影でもスキのない良い描写をします。

 いやぁ・・・描写と使い勝手のバランスは完璧でしょう。お勧めの5本の中でも筆頭に挙げたいものです。

 

SAL135F28
135mm F2.8 [T4.5] STF
対応撮像画面サイズ35mmフルサイズ
焦点距離イメージ(mm) 202.5mm
レンズ構成 (群-枚)6群8枚(APDエレメント1群2枚含む)
画角 (APS-C) 12゚
画角 (35mm判)18゚
最小絞り (F値)31[T32]
絞り羽根 (枚)自動絞り9枚手動絞り10枚
最短撮影距離 (m)0.87m
最大撮影倍率 (倍)0.25倍
フィルター径 (mm)72mm
ADI調光対応×
テレコンバーター (1.4x)○(マニュアルのみ)
テレコンバーター (2.0x)○(マニュアルのみ)
フードタイプバヨネット式
外形寸法 最大径x長さ (mm)80mm×99mm
質量 約 (g)約730g
希望小売価格175,000円+税

 これは、一眼タイプのAマウント用です。このレンズを使わないのならソニーのカメラを使う理由がないというくらいの特別なレンズです。

 このレンズは周辺部を綺麗にぼかすためのフィルタが仕込まれています。なので F2.8のところ光量が T4.5 まで落ち込んでいるのです。なので開放でも暗いのが難点です。ライブなどでは、非常に使いにくいです。高感度に強い α7s をもってしても使いにくいです。

 おまけにAFではありません。像がボケているので合焦点が捕捉できないからです。

 それを押してもそろえたいレンズです。背景をぼかすだけならもっとF値の小さなもののほうがボケます。完全に溶かして何が背景にあるのかわからい位にまでぼかしてしまいます。このレンズは、背景は写っているものの輪郭をしっかりとらえながらーーそこが肝心ーー完璧なグラデーションでぼかします。そんなレンズはほかにありません。唯一無二です。

 

SEL2870
FE 28-70mm F3.5-5.6 OSS
型名SEL2870
レンズマウントソニー Eマウント
対応撮像画面サイズ●35mmフルサイズ
焦点距離(mm)28-70
焦点距離イメージ(mm) 42-105
レンズ構成 (群-枚)8-9
画角 (APS-C)54°-23°
画角 (35mm判)75°-34°
開放絞り (F値)3.5-5.6
最小絞り (F値)22-36
絞り羽根 (枚)7
円形絞り○
最短撮影距離 (m)0.3-0.45
最大撮影倍率 (倍)0.19
フィルター径 (mm)55
手ブレ補正レンズ内手ブレ補正方式
テレコンバーター (1.4x)-
テレコンバーター (2.0x)-
フードタイプ花形バヨネット式
外形寸法 最大径x長さ (mm)72.5 x 83
質量 約 (g)295
希望小売価格59,000円+税

 キットズームです。悪くないレンズですのでキットで買って使いましょう。上記、単焦点が数本あれば、ズームは基本使わないと思います。


 以下、次点5本

SEL70200GM
FE 70-200mm F2.8 GM OSS
型名SEL70200GM
レンズマウントソニー Eマウント
対応撮像画面サイズ●35mmフルサイズ
焦点距離(mm)70-200
焦点距離イメージ(mm) 105-300
レンズ構成 (群-枚)18-23
画角 (APS-C) 23°-8°
画角 (35mm判)34゚-12゚30'
開放絞り (F値)2.8
最小絞り (F値)22
絞り羽根 (枚)11
円形絞り○
最短撮影距離 (m)0.96
最大撮影倍率 (倍)0.25
フィルター径 (mm)77
手ブレ補正レンズ内手ブレ補正方式
テレコンバーター (1.4x)SEL14TC
テレコンバーター (2.0x)SEL20TC
フードタイプ花形バヨネット式
外形寸法 最大径x長さ (mm)88 x 200
質量 約 (g)1480 (三脚座別)
希望小売価格330,000円+税

 このレンジは、これと同じ焦点距離のF4通しのものしかありません。F4通しとこれとは選択に迷いが出ますが、描写だけを考えるとやはり高いだけのことはあります。個人的には動画では使えないのが痛い。でもこの領域は単焦点では如何ともしがたい部分があるのでズームを使います。使うなら覚悟を決めてでかくて重い方を選択します。一脚、もしくは三脚は必須です。

 

SEL2470GM
FE 24-70mm F2.8 GM
型名SEL2470GM
レンズマウントソニー Eマウント
対応撮像画面サイズ●35mmフルサイズ
焦点距離(mm)24-70
焦点距離イメージ(mm) 36-105
レンズ構成 (群-枚)13-18
画角 (APS-C) 61°-23°
画角 (35mm判)84°-34°
開放絞り (F値)2.8
最小絞り (F値)22
絞り羽根 (枚)9
円形絞り○
最短撮影距離 (m)0.38
最大撮影倍率 (倍)0.24
フィルター径 (mm)82
手ブレ補正- (ボディ側対応)
テレコンバーター (1.4x)非対応
テレコンバーター (2.0x)非対応
フードタイプ花形バヨネット式
外形寸法 最大径x長さ (mm)87.6 x 136
質量 約 (g)886
希望小売価格278,000円+税

 各社、看板レンズになるものです。最新のレンズだけあってその描写は群を抜いているのではと思うけれど、各社しのぎを削っているレンジなので普通の目で見ると誤差の範囲でしょう。解像感に関しては単焦点のF2.8に絞った描写を凌ぐでしょう。確かに良い。でも、F2.8までの描写にすぎません。非常に厳しい描写です。背景もボケますが単焦点には及ぶはずもありません。

 レンジでいうと24mm、28mm、35㎜、50mm、70mmですから5本分です。便利といえば確かに便利。27万で5本買えると思えば安上りではあります。でも、上記、5本を持ち出すことなどないでしょう。せいぜい3本、ふつう2本ではないでしょうか?27万は、単焦点が2、3本買える値段でもあります。

 あと、重くてデカいです。なかなか許容範囲に入らないサイズと重量です。撮影時の負担は単焦点のほうがはるかに軽いです。輸送時は逆転するかもしれんけどね。

 上記のようなことがあるので、手放しでお勧めするわけにはいかないと思います。単焦点はどうしても使いにくいということであれば、ベストの選択であることは間違いがありません。

 

SEL50M28
FE 50mm F2.8 Macro
型名SEL50M28
レンズマウントソニー Eマウント
対応撮像画面サイズ●35mmフルサイズ
焦点距離(mm)50
焦点距離イメージ(mm) 75
レンズ構成 (群-枚)7-8
画角 (APS-C)32°
画角 (35mm判)47゚
開放絞り (F値)2.8
最小絞り (F値)16
絞り羽根 (枚)7
円形絞り○
最短撮影距離 (m)0.16
最大撮影倍率 (倍)1
フィルター径 (mm)55
手ブレ補正- (ボディ側対応)
テレコンバーター (1.4x)非対応
テレコンバーター (2.0x)非対応
フードタイプ-
外形寸法 最大径x長さ (mm)70.8 x 71
質量 約 (g)236
希望小売価格68,000円+税

 便利マクロです。画角も使いやすいのでマクロを買うなら最初に手に取りたい。解像に関しては、FE55/1.8のほうがかなり上です。でも、これはマクロです。解像の全体的なバランスはさすがにマクロだと思うでしょう。スナップなどで背景までしっかり描き込む人はこちらを選んだ方が幸せになると思います。財布にも優しいし。

 

SEL85F14GM
FE 85mm F1.4 GM
型名SEL85F14GM
レンズマウントソニー Eマウント
対応撮像画面サイズ●35mmフルサイズ
焦点距離(mm)85
焦点距離イメージ(mm) 127.5
レンズ構成 (群-枚)8-11
画角 (APS-C)  19°
画角 (35mm判)29°
開放絞り (F値)1.4
最小絞り (F値)16
絞り羽根 (枚)11
円形絞り○
最短撮影距離 (m)AF 0.85, MF 0.8
最大撮影倍率 (倍)0.12
フィルター径 (mm)77
手ブレ補正- (ボディ側対応)
テレコンバーター (1.4x)非対応
テレコンバーター (2.0x)非対応
フードタイプ丸形バヨネット式
外形寸法 最大径x長さ (mm)89.5 x 107.5
質量 約 (g) 820
希望小売価格225,000円+税

 Batis をあれだけ持ち上げながらこれも選ぶのかと言ところですが、これもでかく重いなりのことはあります。素晴らしいです。デカくて重いことが許せる人はこちらを選ぶことをお勧めします。

 

SEL90M28G
FE 90mm F2.8 Macro G OSS
型名 SEL90M28G
レンズマウント ソニー Eマウント
対応撮像画面サイズ ●35mmフルサイズ
焦点距離(mm) 90
焦点距離イメージ(mm)  135
レンズ構成 (群-枚)11-15
画角 (APS-C)  17°
画角 (35mm判)  27°
開放絞り (F値) 2.8
最小絞り (F値) 22
絞り羽根 (枚) 9
円形絞り ○
最短撮影距離 (m) 0.28
最大撮影倍率 (倍) 1.0
フィルター径 (mm) 62
ADI調光対応 -
手ブレ補正 レンズ内手ブレ補正方式
手ブレ補正段数 -
テレコンバーター (1.4x) -
テレコンバーター (2.0x) -
フードタイプ 丸形バヨネット式
外形寸法 最大径x長さ (mm) 79 x 130.5
質量 約 (g) 602
希望小売価格148,000円+税

 ミノルタのころからAマウントのマクロは定評がありました。曰くボケ味が素晴らしいとのことです。

 そういう意味では、Aマウントの伝統をぶっ壊すマクロです。ピント面の解像は凄まじいものです。鬼のような描写、従来の伝統の影は微塵もありません。ぼくはマクロはこうあるべきだと思っています。

 今後、このレンズを使うためにEマウントを使うのだという人が出てきてもおかしくないと思います。ただ、ぼく個人的にはその領域はマイクロフォーサーズのズイコーを使いますので次点にしました。

2017/01/13

2017 マイクロフォーサーズレンズ - 極私的ベストバイ

 価格にこだわりなく新しくシステムを組むならこれにしなさいと言う構成を考えてみました。

 個人的には、フォーサーズにあまりボケを期待していない。画面全域の等質な解像を重視していると言うことが前提です。


必携ベストファイブ

 

14-100
製品名 M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO
希望小売価格 175,000円(税込189,000円)
レンズ構成 11群17枚(DSAレンズ 1枚、非球面レンズ 3枚、EDレンズ 5枚、スーパーHRレンズ 2枚、HRレンズ 1枚)
防滴処理 防塵防滴機構
フォーカシング方式 ハイスピードイメージャAF(MSC)
最短撮影距離 0.15m(Wide) / 0.45m(Tele)
最大撮影倍率 0.3倍(Wide) / 0.21倍(Tele)
35mm判換算最大撮影倍率 0.6倍相当(Wide) / 0.42倍相当(Tele)
最近接撮影範囲 57.7 x 43.3mm(Wide) / 82.4 x 61.9mm(Tele)
絞り羽枚数 7枚(円形絞り)
最大口径比 F4
最小口径比 F22
レンズ内手ぶれ補正機構 あり(VCM機構)
手ぶれ補正性能 5軸シンクロ手ぶれ補正時 6.5段補正[*]
焦点距離:100mm
フィルターサイズ Ø72mm
大きさ 最大径×全長 Ø77.5 x 116.5mm
質量 561g

いきなりで申し訳ないが、このレンズはまだ使ったことがない。しかし、今までの経験とサンプルを見る限り、破格の解像感を持つレンズであることは疑いがない。見たことのない描写だ。ある意味でやり過ぎかとも思うが、誰が見ても一目で違いがわかる鮮烈さを持つ。なんだかんだと揚げ足を取ってもこの描写は病みつきになって他のレンズが使えなくなるに違いないと思わせる個性の強さがある。厳しい描写を目指すズイコーのやりたいことの到達点なのではないかと思う。

焦点距離も35mm版換算24-200と普通に使うにはこれ一本でまかなえる理想的な値だ。ほんとこれ一本でほとんど賄えてしまう。F4通しと、こけおどしの数値を捨てたおかげだろう。割り切りも良さも気持ちが良い。

長く写真を続けて行くなら、安価なズームレンズを多数持つより少々奮発してこれ一本を奢るほうが良いのはあきらかだ。

このレンズの欠点を挙げるとしたら、

1.デカく重いこと

2.暗所撮影には向かないこと

この二つの欠点が我慢ならんというのとなら、二本になるが次点のパナのF2.8通しの二本が良いだろう。それなら感覚的に重さは半分くらいの負担に軽減される。ズイコーのF2.8の2本はそれより優秀ではあるが、でかさ重さの問題は解決してくれない。

暗所撮影で問題になるのは主としてシャッタースピードの問題で、フォーサーズのほぼ限界値となるASA1600に収めるとなると、かなり遅くなってしまうということだ。ロック系の被写体などでは被写体ブレが止まらないだろう。F2.8でも苦しいと感じるくらいだからね。それ以上明るいズームとなるとシグマのAPS-C用ズームを持ってくるしか手がないが、現実的な話ではないだろう。

ぼくの今常用している35mmのゆるさとは対極をなすものとして個人的にはすぐ手に入れて使いたいとは思うのだが、二刀流故に予算が避けずに泣いているのだ。

 

 

mzd2518
製品名 M.ZUIKO DIGITAL 25mm F1.8
希望小売価格 42,000円(税込45,360円)
レンズ構成 7群9枚(非球面レンズ2枚)
画角 47°
最短撮影距離 0.25m
最大撮影倍率 0.12倍(35mm判換算0.24倍相当)
最近接撮影範囲 144 x 108mm
絞り羽枚数 7枚(円形絞り)
最大口径比 F1.8
最小口径比 F22
フィルターサイズ Ø46mm
大きさ 最大径×長さ Ø57.8mm x 42mm
質量 137g

一番よく使うと思われる標準画角だ。

特にコメントが必要なレンズではない。普通に期待通りよく写る超広角レンズだ。

この超広角レンズというのがミソだ。

未だにフォーサーズがボケないということを宣うアホがいるが、超広角がボケるわけはないのだ。35mm版でも同じだ。一般的に広角によるほど被写界深度が深くなり、望遠によるほど浅くなる。光学的な説明をしても分かりにくいので、そんなことどうでも良い人はそう覚えるだけで良い。広角ほど移す範囲を広くするため前玉に湾曲したレンズを使う。像が歪んだり偽色が出たりするので補正のためのレンズが多くなる。光を多くのレンズに通すと暗くなる。歪みを補正しているうちにボケなくなる。そんな特性があるわけだ。レンズの構成は望遠レンズを前後ひっくり返したような構成になる。歪曲や収差は望遠よりはるかに厳しいので補正の度合いは半端ではない。そんなところだ。超広角の25mmは35mm版であってもフォーサーズであっても同じことで、フォーサーズでは、それが35mm版の標準画角と同じになってしまうということにすぎない。

だから、基本的にはフォーサーズの標準画角にボケ味を求めてもかなり無理をしないと実現できないということになる。ただ、フォーサーズ陣営もそこは分かっているので超広角の明るいレンズを用意しているということだ。この画角でボカそうとすると必然的に明るくせざるを得ず、たくさんの光量を確保するためにデカく重くなってしまう。そのバランスの中でこのレンズが一番妥当な線をいっているであろうということだ。描写だけならMZDからバカに明るいレンズが出ているが、よほどのことがない限りこのレンズで満足できるはずだ。先のズームより心地よく優しい描写をしてくれる。




 zd4518

製品名 M.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8
希望小売価格 35,000円(税込37,800円)
最大口径比/最小口径比 F1.8/F22
レンズ構成 8群9枚(E-HRレンズ2枚)
画角 27°
AF方式 ハイスピードイメージャAF(MSC) 
最短撮影距離 0.5m 
最大撮影倍率 0.11倍(35mm判換算 0.22倍相当)
最近接撮影範囲 157x118mm
絞り羽枚数 7枚(円形絞り)
フィルターサイズ Ø37mm
マウント規格 マイクロフォーサーズシステム規格 
大きさ 最大径×長さ Ø56 x 46mm
質量 116g

このレンズくらいから、35mm版の標準画角に使うレンズと同じになってくる。必然的にボケが楽しめる領域になる。このレンズは、ボケ味といい解像といいよく出来た単焦点のお手本のようなレンズだ。価格も安い。安すぎると言っても良いくらいだ。これをF1.4にすると価格は跳ね上がるだろう。このレンズはフォーサーズレンズの中でも最もオススメしやすい良いレンズだ思う。

 

 

mzd60m

製品名 M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro
希望小売価格 59,500円(税込64,260円)
最大口径比/最小口径比 F2.8/F22
レンズ構成 10群13枚(EDレンズ、HRレンズ2枚、E-HRレンズ)
防滴処理 防塵防滴機構
画角 20°
AF方式 ハイスピードイメージャAF(MSC)
最短撮影距離 0.19m
最大撮影倍率 1.0倍(35mm判換算 2.0倍相当)
最近接撮影範囲 17 x 13mm
絞り羽枚数 7枚(円形絞り)
フィルターサイズ Ø46mm
マウント規格 マイクロフォーサーズシステム規格
大きさ 最大径×長さ Ø56 x 82mm
質量 185g

このレンズはマクロレンズという拡大、接写用レンズだ。その描写は凄まじい。35mm版ではありえない写りをする。それに倍率が2倍になるので35mm版の倍の大きさで撮れるということだ。このレンズを使うためだけにマイクロフォーサーズシステムを使うという人がいても違を唱えることができないと思う。最短撮影可能距離もちょうど良い。解像感はこれ以上ないというくらい。最近の似非マイクロとは違いF22まで絞れる。ほんとは、複写用途としては写るかどうかは別としてF44位までは絞れて欲しいんだけどね。とにかく、このレンズは神レンズに認定しても良いのではないかと思う。

 

 

mzd7518
製品名 M.ZUIKO DIGITAL ED 75mm F1.8
希望小売価格 119,000円(税込128,520円)
焦点距離
75mm(35mm判換算 150mm相当)
最大口径比/最小口径比 F1.8/F22
レンズ構成 9群10枚(EDレンズ3枚、HRレンズ2枚)
画角 16°
AF方式 ハイスピードイメージャAF(MSC)
最短撮影距離 0.84m
最大撮影倍率 0.1倍(35mm判換算 0.2倍相当)
最近接撮影範囲 173×130mm
絞り羽枚数 9枚(円形絞り)
フィルターサイズ Ø58mm
マウント規格 マイクロフォーサーズシステム規格
大きさ 最大径×長さ Ø64 x 69mm
質量 305g

75mmにもなると35mm版と同様でよくボケるしボケ味も良い。画角は150mmとポートレイト用としては長すぎるけどね。でも、まぁ使うとしたらポートレイト用だろう。完璧なレンズだ。

 

 


以下次点

 

g12-35s
LUMIX G X VARIO 12-35mm / F2.8 / POWER O.I.S.
品番 H-HS12035
レンズ構成 9群14枚(非球面レンズ4枚、UEDレンズ1枚、超高屈折率UHRレンズ1枚)
ナノサーフェスコーティング○
マウント マイクロフォーサーズマウント/金属マウント
画角 W(f=12mm):84°~T(f=35mm):34°
光学式手ブレ補正○(POWER O.I.S.、Gシリーズ本体に準じたMODE切換えが可能)
焦点距離 f=12~35mm(35mm判換算 24mm~70mm)
最小絞り値 F22
開放絞り F2.8
絞り形式 7枚羽根 円形虹彩絞り
撮影可能範囲 ズーム全域で0.25m~∞(撮像面から)
最大撮影倍率 0.17倍(35mm判換算:0.34倍)
フィルター径 φ58mm
防塵防滴○
最大径×長さ φ67.6mm×約73.8mm※2
質量 約305g

g35-100
LUMIX G X VARIO 35-100mm / F2.8 / POWER O.I.S.
品番 H-HS35100
レンズ構成 13群18枚(EDレンズ:2枚、UEDレンズ:1枚)
マウント マイクロフォーサーズマウント/金属マウント
画角 W(f=35mm):34°~T(f=100mm):12°
光学式手ブレ補正(POWER O.I.S.、Gシリーズ本体に準じたMODE切換えが可能)
焦点距離 f=35~100mm(35mm判換算 70mm~200mm)
最小絞り値 F22
開放絞り F2.8(全域)
絞り形式 7枚羽根 円形虹彩絞り
撮影可能範囲 ズーム全域で0.85m~∞(撮像面から)
最大撮影倍率 0.1倍(35mm判換算:0.2倍)
フィルター径 φ58mm
防塵防滴
最大径×長さ φ67.4mm×約99.9mm
質量 約360g(前後キャップとフード含まず)

上記二本の写りに関してはズイコーのような厳しさはない。もっと、まろやかなものだ。解像していないというわけではない。エッジを強調していない感じだ。これはこれでよい方法だと思う。この二本の特筆すべきことは大きさ重さとのバランスだ。70-200/2.8がポケットに入るだけで笑ってしまうではないか?この点は他のレンズではあり得ないことなので、常用便利ズームとしてオススメしたい。


単焦点

以下、趣味性が高いが良いものだ。PROMINARは8mmも優秀だが普通は使わないだろうということで外した。

fs_img_mft_02_L
PROMINAR 12mm F1.8
最大径×長さ: φ76.5×90.5 mm
質量: 475g
フィルター径: φ72mm
¥109,000(税別)

fs_img_mft_03_L
PROMINAR 25mm F1.8
焦点距離:  25mm/50mm相当
最大径×長さ: φ60×94 mm
質量: 400g
フィルター径: φ55mm
¥89,000(税別)

コーワから出ている三本は何れも優秀だがほかの純正を押しのけてでもという感じはしない。

 

mft-42_5mm-top
NOKTON 42.5mm F0.95
最小絞り F16
レンズ構成 8群11枚
画角 30.5°
絞り羽根枚数 10 枚
最短撮影距離 0.23m
最大撮影倍率 1:4.0
最大径×全長 φ64.3×74.6mm
フィルターサイズ φ58mm
重量 571g
希望小売価格(税別) : ¥118,000

ノクトンからは一本だけ。コシナからは4本出ているが、何れも開放は収差がかなり残っていて解像感はなくソフトレンズのようだ。これが夜の目としてなら優秀なのだよ。その中でも42.5mmは安心して使える安定感がある。

2017/01/01

明けましておめでとうございます

あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いします。
まぁ、改まることもないので、普段通りやります。
テレビが面白くないのでNHKオンデマンドを見ていました。
このさかな、だいぶ前に飼ってたんだよ。

あとは、とっ散らかっていた谷甲州の宇宙軍史ものが加筆してまとめられつつある。これは読まないわけにはいかないだろう。あと柴田元幸のマーク・トウェインの翻訳が宙ぶらりんなのだがこの本でハックの一部が抄録させてるので読んでみようかということだ。抄訳だが、思っきりひらがなばっかでめちゃ読みにくいので覚悟がいるぞ!
大久保博氏の完訳コレクションがあってまだいるのか?という気がしないでもないが、個人的にはマーク・トウェインとヘミングウェイは外せないんだよ。