2014/01/04

今年の正月は、考えなければならないことが多くてほとんど本が読めなかった。

 まとまった時間がとれるのは盆と正月くらいしかないので、読む計画をしていたのだけれどほとんど読めなかった。面倒な計算仕事も溜まりにたまってたのだよ。どうしたら良いのだろうという途方に暮れるような数字だ。頑張るしかないけどね。ぼくだけでは無理だ。みんなの協力がいるので正月明け早々から各部門話し合いを重ねていかなければならない。

 今年の政治の焦点になりそうな、消費税関連か、年末にオリバー・ストーンのアメリカ史を後半だけ見ることが出来たのと大嶽秀夫先生のニクソン本が出たので、ニクソンをまとめて読みたいと思ったけどかなわなかった。

 読めたのは消費税関連本が少しだけだ。大下、大田の本以外は以前読んだんだけどね。内容まで覚えておるわけではない。まぁ、どっちの話題も疲れるのだよ。

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消費税導入の経緯を元からたぐってまとめて学びたい人には

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税の攻防―大蔵官僚 四半世紀の戦争 岸 宣仁 (著)

をまず最初にお勧めしたい。これは付加価値税、消費税自体の解説には役立たないが、導入の経緯についてコンパクトにまとめられていて良いものだ。

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財務省秘録―大物次官、大臣らの証言で綴る[単行本]

大下 英治 (著)

『攻防』と同列には置けないが、最近の経緯について直接取材をした記録として図書館に籠もって新聞の縮刷本をを繰り上がり複写する手間は省けるだろうという感じだ。

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消費税 政と官との「十年戦争」  清水 真人 (著)

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経済財政戦記―官邸主導小泉から安倍へ 清水 真人 (著)

 清水真人氏のレポートは優れたものが多い。どの著作も今の政治を知るには必読書といえる。

首相の蹉跌―ポスト小泉 権力の黄昏  清水 真人

官邸主導―小泉純一郎の革命 清水 真人

 大田弘子女史のもの。

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改革逆走 大田 弘子 (著)

 まぁ、ご苦労された話だがそんなに意味のある仕事ではなかった感じだ。

 アマゾンに頼んではいるのだが古書なのでまだ来ていないのが、

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消費税日記~検証 増税786日の攻防~  伊藤 裕香子 (著)

 まぁ、消費税の歴史に関しては、これくらい読んでおけば充分だろう。

 あとは、高橋洋一の初期の著作が財務官僚の思考パターンと生態に詳しい。ここや旧ブログでデフレの応援団のぼくちゃんがいた頃や消費税増税決定の過程で動画を頻繁に引いたのでそれを見てもらえば読むまでもないことだ。


写真 2

 大嶽秀夫教授は、ぼくが学生の頃はまだ東北大学におられたのでお目にかかるような機会はなかったが、そのまだ少なかった研究成果からは多いに学ばせてもらった。

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現代日本の政治権力経済権力―政治における企業・業界・財界 大嶽 秀夫 (著)

大嶽秀夫関連本

 彼が特定の人物を取り上げたのは以下の著述以来だと思う。

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アデナウアーと吉田茂 (中公叢書)  大嶽 秀夫 (著)

 ぼく自身は、学部で英国の現代政治を専攻したことになっているんだけれど、実際は、日本の現代政治史のゼミがなかったので仕方がなく籍を置いただけだった。教授には迷惑かけたと思う。ぼくのテーマは中曽根行革のリアルタイムで分析に新しい政治分析(政策決定過程分析)の手法が役に立つのかという内容だった。その時、先の『現代日本の政治権力経済権力』とアリソンの著作だった。

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決定の本質―キューバ・ミサイル危機の分析 グレアム T アリソン (著), 宮里 政玄 (著)

 アリソンの本はなかなか手強くて適用できなかったので大嶽本が頼りだった。

 慶応の草野厚が出てきたのはぼくが卒業してからだ。彼も同じような試みをしていたのでたいそう関心を持ったことを覚えておる。

日米オレンジ交渉―経済摩擦をみる新しい視点 草野 厚 (著)


 そんな大嶽教授が、今ニクソンだと言う。

 ちょっとタイミング的には遅きに失した感がないでもないが、ぼくも外交を考えるベースが吉田外交とリアリスト特にニクソン・キッシンジャーの外交になっているのでなじみ深い。

 ただ、ぼくが見聞きした吉田外交は、あくまで大平や宮沢の外交であり、吉田の直系ではあるものの孫弟子のような人達だった。池田は記憶にあるわけもなく、佐藤のニクソン同様の憎らしげな顔と態度が強烈に印象に残っているくらいだった。

 その現実に見聞きする政治家の姿と彼らの業績、ニクソンの米ソデタント、米中国交回復、ベトナム和平。佐藤栄作のノーベル平和賞受賞、田中角栄の日中国交回復、これらのギャップの不思議によって政治学のおもしろさを知った。

 そんなことなので、人間としては大嫌いな人達だけれども、この人達の生態を観察することでマックス・ウエーバーの政治観の理解が一挙に進んだことは昨日のことのようによく覚えておる。『職業としての政治』の岩波の訳者脇圭平教授が政治思想史の講義をもたれていてあれこれ聞いたよりもはるかに理解が進んだ。

 今回あげたニクソン本は、気分が重いので持ってるだけで読んだことがない。嘘つきだという印象が強いのもある。今回も読んでみようと思いはしたが大嶽教授の本だけで終わってしまった。今後、読むことがあるのかは心配なところだ。

 大嶽教授の本の評価はまた後日ということにしたいが、少々がっかりしたというのが本音だ。


 ブログなんて、まぁ、書いても5行程度に納めなきゃならないそうだ。5行で何が書ける?

 某掲示板でいつも長すぎると怒られます。(-_-;)

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