売却理由は、資金調達が一番なのだけど、他の理由は稼働率が低いものが多いのと、各フォーマットごとの使い分けが決まったからだ。
使い分けは以下の通り。
レンズ交換式のカメラのフォーマットは、フルサイズ、APS-Cデジタルサイズ、フォーサーズ、1型、1/1.7型というようなところだが、ぼくが現行使ってたのは、フルサイズ、APS-C、マイクロフォーサーズというフォーマットだった。古くはもちろんフイルムだからフルサイズ資産から入ったのだけれど、時代の流れとともに、APS-Cに移行し、上下に拡張したというようなわけだ。
この使い分けで問題になるのは、よく使う画角でのレンズの焦点距離の違いによる絵の違いだ。これは主として、被写界深度と背景の描画に違いが現れる。現状では倍率が1倍、1.5倍、2倍と言うことになるのだが、1.5倍というのが如何にも中途半端なのだ。ぼくの各フォーマットに対する思いはこんな感じだ。
<フルサイズ>
これは一番高価なシステムなのだが、何も偉いと言うことではない。昔の一眼レフのフイルムの大きさなんだ。だから、古いレンズはそのシステムで使用できるのならそのまま使える。ニコンやソニーのレンズがそうだ。ぼくは、ミノルタの資産が多い。このサイズの普及が遅れたのは素子サイズがデジタルサイズの面積比で2倍ありその製造が難しくコストが高かったためだろう。他のフォーマットに比べレンズを大きくする必要があり、なおかつ、画面全域にわたる性能を追求すると大きい分各種レンズの収差を補正するためにレンズも枚数も多く大きくなりがちだ。それでも、明るいレンズなどは収差を抑えきれないきらいがある。このフォーマットでは、よく使う画角の焦点距離が他と比べて長いので、被写界深度が浅めになる。ということはピントの合う奥行きが浅くなると言うことだ。このため、背景をボカして主題を引き立てるという表現には長けたものがある。逆に言えば、画面の奥行きを深く撮りたい場合には自ずと限界があり撮れない絵というのがあるのも事実だ。一般的には、素子が小さいとボケないなどとボケ味を重視する言説が多いが、ぼくは、逆に深度の浅さがゆえに、どうしてもフルサイズ一本に絞ってしまうことが出来ない。おまけにでかいレンズは周辺の光の収差が大きく、しっかり描写しようとしてもなかなか修正しきれないので、ボケに一層拍車をかけているという面も多分にある。
上の話に反して素子が小さいと許容錯乱円も小さいという理屈も在るのだが、それよりレンズが広角だという方が影響が大きいと思うし、許容錯乱円の話など、ぼくがダラダラ書くと読者の方が錯乱してしまうだろう。だから省略。
<APS-C>
これは一眼レフをデジタル化する際、当時の技術では一番合理的であったということだろう。カメラのサイズはそれまでのフイルムAF一眼レフのサイズと大差ないところにデジタル装備を組み込むのに適切なサイズということだと思う。ここ数年の一眼レフのフルサイズ化までは本流だった。フルサイズのレンズを作るよりも小型軽量化できるので各社こぞってAPS-Cサイズのレンズを開発した。今となっては、フルサイズのレンズ以上のラインナップとなっている。レンズの設計としてはフルサイズより小型軽量化が可能で収差の補正も楽なのだろうけれど、全体的には廉価に普及させなければならないと言うことで、ズーム主力の利便性優先という印象が強い。単焦点の優秀なものは売れないんだろうね、非常に少ない。<フォーサーズ>
これは、デジタル化する際に当時の受光素子では斜めから光が差し込むと上手く光を受け止められないという問題があり、出来るだけ光を正面から真っ直ぐに受けられるようにと企画されたフォーマットだ。今ではだいぶ改善されたがまだまだその理屈は生きている。素子のサイズは対角長半分、サイズ1/4になる。この小さな素子にもかかわらず、レンズはフルサイズ並みの贅沢な設計をし画質優先を目指したが、企画当初より、なかなかレンズは優秀なのだけれど、それを受け止めるカメラ素子の問題から、なかなか思うような結果が出せなかったフォーマットだ。ここ数年やっと、素子の側がレンズの性能に追いつく本領を発揮できるようになったのだけれど、作った本人達は、素子の小ささを逆手にとった小型軽量路線に軸足を移してしまったので、とても優秀な古いレンズ資産は放置されたままという状況になり、いよいよ、オリンパスはフォーサーズのカメラの開発を断念した。パナはそうは言わないけれど、もうとっくの昔に放棄している。なのでフォーサーズは過去のレンズ資産が生きているだけでマイクロフォーサーズに移行してしまっている。フォーサーズではズームの開発に力を入れ、10万前後のレンズには単焦点並みの性能を持つズームがひしめきあっている。マイクロフォーサーズに移行してからはサイズ優先で優秀な単焦点を次々に発売している。ある意味システムの特長を活かした合理的な戦略が布かれていると思う。このシステムは撮像素子が半分の対角長なので同じ画角なら焦点距離も半分の長さになる。フルサイズで標準とされる50mmが25mmになってしまうと言うことだ。基本的に焦点距離が35mmを下回るレンズは、被写界深度が深い。要はボケにくいと言うことだ。明るくしてもボケにくいことには変わりがない。広い画角で風景などを撮る場合は、ボカしたい用途などと言うのは特殊な要求だけれど、フルサイズで言う準広角から望遠までは何らかの主題なりテーマが存在する場合が多いので、主題にだけピントを合わせ背景をボカして整理したいという要望が多いのは無理のないことだ。この準広角35mmから準望遠70mmの画角が、フォーサーズでは、17mm~35mmというぼけない焦点距離のレンズになってしまうということになる。だから、ボケないという指摘は当たっている。先にも書いたけど、素子が小さいとしっかり写らない範囲=許容錯乱円というのも小さくなり確かにボケにくく、くっきり写りやすくなる。でも実際の影響は広角レンズを使うと言うことの方が大きいのではないかとぼくは思ってるんだ。素子が小さいから同じ画角を撮ると焦点距離の短いレンズを使うからボケないと言うべきなのだと思う。でもこんな長ったらしい説明はしてられないので素子が小さいとボケるという言い方をするほうが現実的なのではないかと思うが・・・ややこしいのでどちらの影響が大きいのかなどは調べたくない。
これらの性質の違いはフルサイズ と APS-C よりも、フルサイズ と フォーサーズの方が明瞭に現れるので、使い分けをするのならフルサイズとフォーサーズの組み合わせが良いというのはそういうわけだ。
これまでフランジバックの短いミラーレスの利点は、AFを諦めれば他のほとんどのレンズが使えるというのも在ったのだが、惜しむらくは、素子サイズの違いから画角が1.5倍や2倍になってしまうことだった。なので、フルサイズの広角レンズを使っても標準画角になってしまうことだ。そして、ミラーレスのカメラでは基本的に光学データをカメラの中でデータ補正しているので余程収差を抑えたものでないとそのままでは不具合が出たままとなり、現像処理なり各種補正を後からする必要が出るということになってしまう。おまけに元のレンズの味わいの出ない良いとこばかりをとってしまうことになりおもしろみに欠ける。
ただ、ソニーのEFマウントのα7の出現で業界地図が一挙に書き換えられる可能性が出てきた。他社のフルサイズレンズがそのままの画角で使えると言うことになる。そして、マイクロフォーサーズのアダプタも用意すれば、画角倍のレンズとしても使用可能だと言うことになる。コシナのツアイスやフォクトレンダなどはもとよりMF専用なのだからなんの痛痒もない。レンズ資産の相互運用が可能などと言うことはこの業界の忌み嫌うが、ユーザーにとっては夢のような話だ。ライカのレンズだって使えるのだよ・・・使わないと思うけど・・・使えない・・・・高くて・・・。もとより、民族派で舶来信仰のないぼくでさえ良いと思ってしまうよ・・・ホントに・・・。
というようなことで、ソニーのフルサイズとマイクロフォーサーズの混成部隊でいくと言うことになりました。
その役割分担は、
- メインのマイクロフォーサーズは、広角域と望遠域を主戦場とする。
- サブのフルサイズは、準広角から準望遠までの標準ズームを主戦場とする。
1.のそのこころは、フルサイズの広角域のレンズの描写を信用していないこと。マイクロフォーサーズの方が余程良いと思っている。だいいちフルサイズのましなズームはデカくて重い。フォーサーズには、7-14/4、9-17、という軽量コンパクトで極めて優秀なレンズがある。これがあれば単焦点はいらないと思うほどだ。他にも24-70/2.8、70-200/2.8 に相当する大口径ズームがポケットに入ってしまう。極めつけは少々デカいけど50-200swdというとんでもなく優秀でコスパの良いレンズがある。ぼくは、このレンズのためにフォーサーズを使ってるのだと言っても過言ではない。本格的な野外撮影でも12-35/2.8 もしくは、12-40/2.8 と 50-200swd が在れば全て事足りてしまうだろう。40-150/2.8 が、50-200swd 並の性能を持ち同じ価格帯ならもっと使い易くなる。おまけに望遠領域ではオリンパスのボディ内手ぶれ補正は極めて強力だ。無敵かと思うほどの安定性をもたらし、拡大MF時のファインダー像の安定性も極めて良い。これも、フォーサーズで望遠を使いたい大きな要因になる。パナもGX7からは、ボディ内の手ぶれ補正をサポートした。GX7で望遠を使うことは考えにくいが、オリンパスのレンズや他フォーマットのレンズを使うときには心強い演技射撃だ。また、軽く済ませてしまいたいのなら14-140、一本でも素晴らしい。
2.のそのこころは、フルサイズがサブで使えるようになった。α99をサブで持ち出すとどちらがサブだかわかんない装備になってしまうが、α7とライカMマウント用のレンズなら、小型ミラーレスのサイズと全く変わらない。中古しかないけれどコンタックスの G レンズだともっとコンパクトになる。どのみちフルサイズなので高感度にも強く、標準ズーム域なので手ぶれ補正がなくとも平気だし、ボカし用途なので開いて撮るので尚更苦には成らない。
先日来、少し使っただけだけれどもテストしたコシナのツアイスは、ほぼ、昔のツアイスのまさしく復刻という感じで、昨今ののギリギリまで解像するという下品な絵を描いてくれることは期待しても無駄だ。ボケ味に関してもクセがあるといわれるようなボケ味だと思う。良いときと悪いときの落差が大きいように思う。ただ、開けばリニアに性格が変わると言うことでもなさそうで思うように絵を描かそうとすると、いろんな状況を経験、熟知してからでないと無理だと思う。まぁ、そこがまた楽しいと思わせる不思議なものがある。Biogonに関してはもっとクセ玉かと思ったけど、Planar 同様一見しただけではクセのないと思わせるところがあり、明確な差はまだ認識できていない。これはかなりな枚数を経ないとわかんないかと思わせるくらい等質な良いシステムだと思う。こうなると、コンタックスのS Planar 60mm も使ってみたいか?・・・・と思う。同じコシナの一眼系のマウントに手を出さないのか?と問われたらそれもないと思う。レンズやアダプタがデカくて間の抜けた感じになるのと重い。極めつけはピント環の向きがニコンタイプでαとは逆なのだ。こいつは、一番重要なインターフェイスだけになかなか辛いものがある。
メーカー別のレンズ交換式システム見ると、
ニコンはフルサイズ、APS-C、1型の段階的なフルラインナップ。
キャノン、ソニーは、フルサイズ、APS-Cの微妙なラインナップ。
ペンタックスは、APS-Cと1/1.7型の少し極端なラインナップ。
オリンパス、パナソニックはフォーサーズ一本勝負。
フジはAPS-C一本勝負。
こんな感じだ。
ぼくはフルサイズ+マイクロフォーサーズというのが、一番絵的に意味があると思う。
2 件のコメント:
今日、このブログ発見しましたが、面白すぎですな!どんどん続けてください。ちなみに大きなお世話ですが、カメラと政治はわけてもいいのかも、引く人が多そうな。
匿名さん
コメントありがとうございます。
長めのつぶやきみたいなものですから何でもありなんです。
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