価格コムのレビューに書いたので転載しておきます。本当はもっと書いたのですが、2500字の制限にひっかかり大幅に削除しました。
最初は、今回購入を見送るつもりでした。
でも、何度かこの機械に触れているうちにこのカメラは一眼系とは違うものを提案しているのだと考えるようになり、じわじわ欲しくなってきたという感じです。
【デザイン】
気軽にカジュアルに使うという感じの優しさはないですね。
誉められたものではありません。
デザイナーはちょっと調子が悪かったのかなぁ・・・と思ってしまいます。造形に関しては主観的なものですから、なんとも言いにくいですが、グリップ部とペンタ部の造形が無骨でソニーに似つかわしくないと思いました。
流れはGX7やPEN、X-Eに分がありそうですから・・・そっちにしといてもらった方が、この機械の性格に見合って良かったような気がします。
【画質】
a99で充分満足していますので、なんの不満もありません。このくらいの解像度がギリギリだと思います。
本心を言うと1600万画素くらいの方が撮り手に優しいので良かったような気がします。やはり、2400万画素は、ピントの点でもでもブレの点でも撮り手にかなりの緊張感を強いることになります。気軽に撮るにはもう少し解像度が低い方が良かったと思います。
【操作性】
クチコミにも何度か書きましたが、Aマウントのレンズの拡大AFが使えないのは返す返す残念です。最早、ミラーレスにおいては、ピント環の動きと連動したピント位置拡大はスタンダードな操作法だと思います。これは是非とも使いたいので今後実現して頂きたいと思います。
その機能はEマウントのレンズでは使用できるわけですが、ちょっと、反応が遅すぎです。オリンパスのように早すぎても困りますが、もう少しだけ反応を早めてもらうとちょうど良いと思います。
操作上で多少違和感を感じるのは、電子先幕シャッターが無音で開くことです。シャッターの切れ始めが無音でブラックアウトし機械式シャッターの音で閉じるという感じです。これは多少音がした方が分かりやすいと思います。
既出ですが、シャッターの音もショックも筐体が小さいだけに押さえ込めていません。音が大きいので、ライブハウスや演奏会での撮影は無理です。この点は、スナップ派には結構痛いところです。そう言う用途のウエイトが高いのであれば、RX10の方が足も長いし音も小さく非常に優秀ですのでそちらにすべきでしょう。
ボタン、ダイヤルの数は必要充分です。操作も比較的無理なくブラインドでの使用も難がありません。
露出補正の別ダイアル化は賛成です。しかし、そのダイヤルですが指で回す分には問題はないのですが、バックやソフトカバーを被せると動きやすいです。ロックの仕掛けは要りませんがダイアルを少し角丸にするとかすれば防げるのじゃないでしょうか。
【バッテリー】
これは、持ちが悪いですね。でもデカい電池で筐体までデカくなるよりは良いと思います。
【携帯性】
NEX同様、これが問題です。
筐体は軽くて良いのですが、レンズとのバランスが悪く、軽量なキットレンズでもかなりフロントヘビーという印象があり、ズームのような寸の長いレンズは首にかけると必要以上に重く感じます。
【機能性】
やはり手ぶれ補正がないのが痛いですね。入れるとかなり大きくなるでしょうね。・・・微妙なところです。なので、この機械で、100mm以上を使うというのは現実的ではありません。
スナップは手ぶれもピントの外れも味のうちというところがあります。そんな使い方をするのなら、ガチピン、手ぶれを恐れて全身ガチガチにになって撮る必要もないのです。気軽に楽しく撮影が出来ます。
【液晶】
ほとんど使わないので評価のしようがありません。表示が消えてくれたり、モニタが裏返ってくれたりすると良いと思うくらいです。
【ホールド感】
手の大きい私には上下方向が少し足りませんが、おおむね良好です。指のかかり具合も良好ですが、GX7の様にデザイン優先でも良かったように思います。
【総評】
まだ、システムとしてはどう評価しようもない状態ですが、αマウントのガチガチ真剣に超解像して絵を撮るという世界とは別世界を目指すという方向性が見えてきたのではないかと思います。そこに共感できるかどうかがこの機械を気に入って使えるかどうかの分かれ目だと思います。
まぁ、α99で出来ることの大半は出来るのでα99の廉価版だという考え方も出来るでしょう。でも、小型軽量化のためにきっぱりと割り切ったところがあるのでそう言う使い方をするのなら不満点が沢山出てくると思います。手ぶれ補正、AF、連写などなど・・・
この機械の魅力はふたつに集約できると思います。
1.小型軽量。
なんといってもこのカメラを持って感じるのは小型軽量は正義です。
負担なく常時携帯できる本格的なカメラは正しい。
2.いろんなレンズが使える。
なんでもかんでも全自動の機械になれきったぼくたちですが、AFを捨てるだけであらゆる古い絞り環を持ったレンズが自由に使えるということがこんなに楽しいことかと今更ながらに思い知らされることになります。
長年、ぼくは、遙か彼方からの後追いのソニーはユニバーサルマウントAFカメラを作るべきだと思っていましたが、この機械を見て考えが変わりました。
意図したものかどうかはわかりませんが、ソニーのこの回答は大正解だと思っています。ニコンも同様の提案をしているようですが、ソニーの成果と比べると中途半端な感じは否めません。
いろんなことを書いてきましたが、まぁ、とにかく使ってみるとAF以前にカメラに馴染んだものにとっては非常に心地よい、使うこと自体が楽しいそんな素晴らしいカメラに仕上がっていると思います。
全ての人にお薦めするようなことはしませんが。そう言う趣味性の強い使い方なら素晴らしいと思います。
というようなことで、現状ソニーのレンズは使わずにコシナツアイスMマウントばかり使っていますがその感想を少し。
カメラは、今は一般的になった2000万画素超で素子の面積的にも十二分に余裕のある贅沢な設計ですので、これ以上のものを望むのはなかなか難しいのが現状だ。
今回、ソニーはフルサイズの素子を使ってミラーレスシステムを導入し製品の大幅な小型軽量化をしたわけですが、この戦法は、既にフォーサーズシステムが実行したとこと全く同じだ。
フォーサーズシステムは、本来一眼レフ用の規格であったのだけれど、ミラーレス化によりサイズが大幅に小さく出来た。
フランジバックが38.67mm から 約半分の20mm 変更された。マウント外形が6mm小さくされた。
もちろん、素子の大きさは同じだ。本来、素子の大きさが1/4の割にマウント系を大きくし光がまっすぐ当たりやすくしたわけだけどそのあたりはマウント径の大きさがあまり変わらないのはそのためだ。
もちろん、画質の点でもフォーサーズとマイクロフォーサーズで画質が変わるようなことはなかった。素子の進歩が早いというのもあるけどね。光学的にはそんなに変わっていない。ただ、どうしてもフォーサーズ系は標準域で広角レンズを使うことになるので各種収差補正はカメラでドンドン行うというのがスタイルには成っている。
ソニーはこの戦略をフルサイズで踏襲したと言うことになる。
各フォーマットのフランジバックは以下のようになっている。
この表のミソは、大は小を兼ねない。小が大を兼ねると言うことにつきる。大きなくくりで言うと、ミラーレス<レンジファインダーカメラ<一眼レフという順になる。一番短いミラーレスにはレンズの長さを足してあげさえすればフランジバックをレンジファインダーカメラや一眼レフにあわせることが出来るということだ。
そう言う使い方を、ミラーレス登場以来マイクロフォーサーズでも、ソニーEマウントでもしてきたわけだ。
そこでα7のどこが良いのかというと、元のレンズのが角がそのまま使えると言うことだ。今までマイクロフォーサーズやEマウントでレンジファインダーカメラや一眼レフのレンズを使うとフランジバック一定なのに素子の面積が小さいので真ん中だけ切り出して画角が狭くなったようにしか写らなかった。すなわち、望遠みたいな画角になってしまうわけだ。Eマウントで1.5倍、マイクロフォーサーズで2倍になることはカメラ使いなら承知の通りだ。これがa7では全く同じ画角で使えるわけだ。これは画角が同じと言うだけではなく、マイクロフォーサーズなどでは、どうしても標準域で出来なかったボケ味のコントロールが出来るようになると言うことだ。これで今まで小型レンズ交換式では出来なかったことが自在に出来ると言うことになる。これは大きい。
ピンとこないですか?
レンズは広角はボケないのです。ボケ始めるのはフルサイズの50mmくらいからなのです。100mmだとボカしたくなくてもボケすぎるくらいにボケるのです。その境目が50mmくらい。ところが、その画角はマイクロフォーサーズでは25mmになってしまうのです。25mmなどというのは、絞れば写したい近辺の距離のものは全部写ってしまいます。少々明るいレンズを持ってきてもその性質は変わりません。
(実を言うと各フォーマット元に許容錯乱円のサイズという問題があるのだが、こればかりはフォーマットを選んでしまうとどうしようもないのと、話がややこしいのでぼくの場合は、現実的に端折って考える。厳密に言うと素子のサイズが小さいほど許容錯乱園が小さいのでボケないというのは事実だ。)
35mm、50mmという最も使い易い画角でボケ味のコントロールが出来ると言うこと以外にフルサイズの利点はありません。
まぁ、そんなわけで、ぼくは広角域はマイクロフォーサーズしか使わない。フルサイズのa7では、まず35mmと85mm、そして50mmのレンズを用意したわけだ。広角はおそらく使わないだろうと思う。
というのも、フランジバックが短くなって良いことばかりでもないのだ。フランジバックが短くなると周辺の光の入射角がきつくなるんだ。斜めに入るということね。機械のイメージはこんな感じだ。真ん中はそうでもないけれど端っこが厳しくなる。下のバッテンマークの傾斜のことね。
こいつは素子にはきつい仕事になる。
素子の受光部は洞穴の奥みたいなところにあるわけだ。斜めから入るときちっと光を受け止められないと言うことだ。
というようなことで、Mマウントのレンズの使用例で、周辺部に色被りが発生したなどという報告が色々とでている。
まぁ、ぼくの場合は、もともと広角を使うつもりはないので痛いことではない。
まぁ、今のところの報告はこのくらいですか・・・レンズの味についても報告したいのだが、コシナツアイスMマウントの使い心地は大変優秀なのだが、αのDMFという機能を使い出してからガチピン狙うクセがついてしまって、標準域ではピント合わせが非常に困難だと言うことだけは報告しておきたい。拡大フォーカスの大きい方を使うと倍率高すぎてピント合わせてるだけで酔ってしましそうで、本末転倒という感じがしないでもない。35mmくらいでF8程度まで絞りバシャバシャ撮るのが本筋だろうとは思うんだけどね・・・・それならマイクロフォーサーズの絵とあんまり変わんないのだよ。
なかなかサンプルを撮ってる時間がないのと、レイコールのアダプタを使ってるわけなのだけれど、フルサイズ対応のバージョンアップに送り返しているので撮りたくても撮れないのだ。
2 件のコメント:
こんにちは。α7とbiogonでの検索でたどり着きました。
ひとつお聞きしたいのですが、周辺の色被りを感じられたことはありますか?作例を拝見する限り、心配ないようにも思えますが....。もしよろしければお答えいただけると嬉しいです。
コメントありがとうございます。
価格コムのα7の板に色々情報を頂いています。
http://bbs.kakaku.com/bbs/K0000586357/SortID=16883804/#16883804
見せてもらったサンプルでは25mmくらいまでは問題ないですね。21mmから周辺光量の落ち込みはきついです。でも、これはもともとそう言うレンズです。
周辺減光に神経質な人なら触らない方が良いかもしれませんが、常にそこそこ絞って撮ると言うことなら心配ないと思います。
色被りだけはいろんな状況がありますのでまだ経験値が低すぎです。(-_-;)
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