写真好きなやつは不思議なものでボケの質を大事にする。といってもお笑いの話ではない。ピントの外れたところの写り方の質のことだ。
発売から20年以上たっても未だにその頂点に君臨するのがこのレンズだ。
ミノルタ STF 135mm F2.8 [T4.5] ミノルタが発売したがソニーが引き継いでいる。
ぼくのツールとしても勝負用として掛け替えのないものとなっている。ぼくの個人のツールとしてのα7700からのフィルムカメラ体験の頃はこのような優秀なレンズはなかった。社会人になってきれいさっぱり新聞とは縁がなくなったのでカメラを触ることもなかった。α7000が出てAFが評判になりミノルタのカメラが市場を制覇するようになってから、どんなものかとちょこっと触ってほったらかしだったのだ。模型小細工も同様だった。本格的にカメラに戻ったのは模型趣味を再開して記録を残すためだった。それ以上でも以下でもなかった。たまたま大津ジャズに行って写真を撮ってみて大変悔しい思いをしたのがカメラを持ち歩くようになってきっかけだった。なのでぼくの主戦場はもとよりブツ撮りとライブ撮影なのだ。そのライブでこいつを使おうという魂胆だった。
ボケ味が良いと言うことで評判のミノルタのレンズ同士の比較をSONYの作例でみるとこうだ。
左が100マクロ開放。右がSTF開放。焦点距離が違うので背景の映り込みは違う。
下は100マクロ。焦点距離は短く、口径は2.8と同等ながら良くぼかしている方だろう。好まれるのもよくわかる。
STF。焦点距離は長いにもかかわらず、輪郭を良くとらえ解像しているのがわかるだろう。それをフィルタで見事にボカしている。
左は、現行ソニーの看板レンズ135/1.8za 同じく両方とも開放だ。
下は135mmの焦点距離と1.8の口径で容赦なくボカシ込んでいる。まぁきれいな方かもしれない。他社を知らないのでなんともいえないが。
STF
写真を撮るもの以外はわかりにくいかも知らんが、背景のシューリップの輪郭は表現しながらなだらかなボケで周囲に溶け込ましているのがわかるだろう。これがボケ専用のフィルタの効果だ。レンズの口径はF2.8にすぎない。なので輪郭はしっかり残るがフィルタでボカし込んでいるのだ。
このレンズは、まずもってレンズの素性が尋常ではない優秀さを持っている。おまけに口径食がないというとてつもなく贅沢なレンズだ。その優秀さを顧みずボケ専用レンズに使っているのがミソだ。解像一点張りの昨今のユーザーにはとうてい受け入れがたいレンズだと思われても仕方がないだろう。この実は解像バリバリのレンズをボカしているという点の理解がないために新しいレンズのウワサが出るたびに、More Speed という訳のわからないことを言い出す御仁が絶えないのだと思う。実は究極のとか言われながら実は全然使われていないレンズだと言うことがよくわかるだろう。
このレンズはMFだ。周囲が結像しないのだから仕方がない。APS-C機では画角が200mmにトリミングされる故使いにくいと言うことも、主要用途のポートレイトに関して徒となった。35mm版の135mmでも若干長い。
その究極のレンズの後継レンズが出るというウワサが出始めた。100mmだという。AFかもという。今の技術なら真ん中に限ってはひょっとしたらAF出来るかもしれない。でも、究極のレンズの後継なのだから一切の妥協はしないでもらいでもらいたいものだ。
ここまで持ち上げておいて申し訳ないが、その勝負用の究極のツールなのだが、ライブでは一度使ったきりで、その後使っていない。そのことはまた気が向いたら書きます。
STFに関しては、この人のサイトがよくわかると思う。
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