2016/10/25

FourThirds? APS-C? 35mm? それが問題だ。カメラフォーマットのお話。

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image_circle_1 上記が撮像素子のサイズの比較だ。大事なことは、ここに丸いレンズの像を写すわけだから対角線が問題になる。ざっと、35mm版比で、マイクロフォーサーズは1/2、APS-Cは2/3になる。だから、画角が35mm比で2倍、1.5倍となるわけだ。35mm版の50mmに画角をあわそうとするとAPS-Cで35mm、マイクロフォーサーズでは25mmを使えばいいということになるし、同じ50mmレンズを使うとAPS-Cで75mm、マイクロフォーサーズでは100mmの画角になるということだ。同じレンズの絵を右のように切り出すだけなので絵が変わるわけがない。面積は35mmを1とするとAPS-Cは1/2、マイクロフォーサーズは1/4となる。これは画素数、解像感に大きく影響する。

35mmAPS-C

 同じマウントに35mmとAPS-Cの素子を搭載するとこんな感じだ。Eマウントは、35mm素子ギリギリのマウントだというのがよくわかる。

 ぼくは、35mm版とマイクロフォーサーズのカメラをメインとして使ってるのだけど、35mm版を使うわけは、ライブの暗い会場でハイスピードレンズを使ってボケ味を活かして被写体を浮き上がられたり、ピントが来すぎないようにしたいからなんだよね。一方、マイクロフォーサーズを使うわけは、ボケないピントの奥行きを確保したいがためなのだ。この特性はカメラの特性ではない。

 レンズの特性なんだ。下記のように同じサイズで撮るとしよう。35mm版は50mmレンズを使用するのに対し、マイクロフォーサーズでは25mmレンズを使うということなのだ。それ以上でも以下でもない。レンズは広角になればなるほど被写界深度は深くなる。どのフォーマットレンズの焦点距離の特性は同じなので、ただ、それだけのことなんだ。(実は、許容錯乱円の問題などもあるが、話題が難しいので省く)カメラの優劣は全く関係がない。同じ画角では35mm版は奥までくっきり写らないし、マイクロフォーサーズは簡単にボケない特性があるというだけのこと。

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 双方、絞っても画質を維持しようとするとF16程度までくらいしか絞れないけれど、同じF値ではマイクロフォーサーズの方が圧倒的にピントの奥行きが深い。

 その中庸を行くのがAPS-Cということになるのだが、今後、一眼タイプのカメラはどんどん35mm版に移行するだろうし、APS-C版の新しいレンスの開発ペースはかなり落ちるだろうと思う。これを使うのならほかのフォーマットを使っても差が少ないので二刀流の意味はあまりないだろうと思う。使うのならAPS-C一刀流が良い。APS-CフォーマットメインのFUJIが非常に元気が良いし優秀だが、FUJIは、35mm版をすっ飛ばして中判カメラの2ラインナップで行くようだ。個人的にはちょっとやり過ぎだと思う。ペンタはAPS-C+35mmという選択をした。これはちょっと差がなさ過ぎなので疑問符がつくと思う。ソニーに関してもレンズ交換式に関しては同様なのだ。

 そういうことになるとオリンパスとパナソニックのマイクロフォーサーズ陣営がどうでるのかということが気にかかる。さすがに昨今の多画素化、高解像感、によって暗所で素子の大きさが35mm版の1/4の大きさしかないのはツラい。ノイズ、階調の表現力不足による一般的な表現の差はもう詰められないところまで来たのではないかと思う。そうなれは、早晩、多のフォーマットにも手を広げざるを得ないだろう。

 オリンパスとソニーの資本関係、パナソニックとライカ、ソニーは技術的な縁が深い。ということを考えるとm43システムとの画像の親和性からも35mm版を新たにラインナップするのだろうと思う。

 おそらく、オリンパスには撮像素子はもちろんカメラもソニーが供給するのではないかと思う。当然、Eマウントだ。ソニーのカメラでZUIKOのパキパキの絵が撮れる日も近いのかもしれない。たいへん喜ばしいことだ。

 パナソニックはライカにカメラを供給しているので、Mマウントに参入しライカとの相互技術交流というのも面白いと思う。しかし、商売のことを考えると全然違う商売をやってる者同士が補完し合うというのも良いかもしれない。ただ、この協業はライカにとってはメリットが多いがパナソニックに関してはどうなのだろうと思ってしまう。国内でこそライカの威光は大きな影響力を持つけどいかんせんパナのガタイに対してマーケットが小さすぎる。利益率は高くとも食わせていくのが大変だろう。そう考えると、人材的な縁も深いソニーのEマウント参入というものあり得ない選択ではないと思う。おまけにEマウントはオープン規格だし参入メーカーもどんどん増えている。そう考えると、以前からあちこちに書き散らかしてきたユニバーサルマウントの地位に、Eマウントがつくのではないかと思う。オリンパスは言うに及ばす、パナソニックも、今や、素晴らしい光学屋になっているので新市場参入に関しても何の心配もないだろうと思う。

 ぼくが、Aマウントがあるので使うつもりは全くなかった。35mmのEマウントを使うようになったのは、当然、そういう将来を夢想してのことだけど、その夢にかなり近づいてきているのではないかと思う。

 マイクロフォーサーズが良くないということではない。価格もこなれてきて世間的に大判のセンサーが好まれる傾向になるということだ。そもそものマイクロフォーサーズの目的が当時のデジカメの撮像素子の能力では大きな素子の能力を最大限に使うにはレンズを大きくする必要があるが、とてつもなくでかくする必要があるので素子の方を小型化しようということも狙いの一つだった。35mm比で4倍の大きさのレンズを用意したいがためのものだった。画質を求めたが故のことだ。今となっては素子の性能が上がったのでそこまでする必要はなくなり素子の小ささを利用して小型カメラをつくっている。それでも、望遠領域の使い勝手やマクロの領域での拡大率はともにマイクロフォーサーズが35mmを圧倒する。

 左が35mm版60マクロ等倍。右がマイクロフォーサーズ版60mm等倍=2倍。手持ちなので厳密な比較ではないが限界まで寄って撮影した。下段がリンク先が等倍図。等倍で見るとピント合ってないよね・・・でも、ここまで寄るとピントは1mmを切るだろう。息の出来ない世界なので、ぼくは嫌だ。でも、商用ブツ撮りやマクロというのはそういう世界だ。ファインダやモニタではムリだろうね。

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最後のを除いて説明の画像は画像はあちこちからお借りした。出典にリンクを張っておきましたが、お礼申し上げます。

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