2015/01/27

大沢真理 東京大学社会科学研究所教授 「現代日本の貧困」3 2014.9.12 jnpc

大沢真理 東京大学社会科学研究所教授 「現代日本の貧困」3  2014.9.12

2014/09/16 に公開

Mari Osawa, Professor, Institute of social science, The University of Tokyo
「生活保障のガバナンス—所得貧困にそくして—」などの論文がある大沢教授が、日本の­貧困の特徴を年代比較、国際比較を交えて分析。「最大の問題は再分配の非効率」と指摘­し、現状の財源でも再分配を有効に機能させることはできる、と主張した。
司会 竹田忠 日本記者クラブ企画委員(NHK)
日本記者クラブのページ
http://www.jnpc.or.jp/activities/news...
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記者による会見リポート(日本記者クラブ会報10月号に掲載)
分配もひどいが再分配は最悪 逆機能する生活保障システム
大沢さんの論旨は極めて明快。ざっくばらんなたとえで、聞く者をひきつける。いわく、­国の政策は、〝やらず、ぼったくり〟であると。そのこころは、社会保障政策の機能が低­下しているどころか、逆機能してしまっていると主張。社会保障で貧困が深まったり、所­得格差が開いたりということが起きていると指摘した。
たとえば大企業の正社員は、社会保険料の負担は低く、受けられる給付は厚い。しかし、­非正規の人など恵まれない立場にある人は、負担は重く、給付は薄い。
理由は2つ。1つは、社会保険が企業の規模や、職種、労働時間によって加入する組織が­違う〝段差があるタテ割り〟になっているため。
そして2つ目は、社会保障制度の累進性が絶望的に低いため。高所得者がより負担し、低­所得者が厚い給付を受けられるよう、累進性を高めることが必要と説く。
しかし、アベノミクスはそれとは真逆の、強者から富ませる〝トリクル・ダウン〟。どう­整合性をつけるか、課題は重い。
企画委員 NHK解説委員
竹田 忠

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