ツアイスから一眼用の最高級望遠レンズの登場だ。この前に登場した55mmは、標準レンズの常識を破ってディスタゴンタイプ(広角レンズタイプ)だった。通常、この領域はプラナー構成が多かったのだけど、今回は全然違う構成を取ってきた。解像度全盛の昨今、もう、ダブルガウス構成は限界が来てしまったのだろうね。
ダブルガウスではダブルガウスで良いところがあるんだよ。実はツアイスはダブルガスの制御は得意ではないというか、50mmなどはましだけど、85mm などはツボにはまるととっても良いけれどダメな写真も沢山量産してしまう・・・そんなレンズだった。
ちなみに55mmは、AMAZONで¥396,000ということだ。85mmはそれより高いことは間違いない。こんなの買う奴いるのか?って値段だけど、ライカよりは利口か?と言う値段ではある。ぼくは要らない。
製品仕様:
焦点距離 85 mm
絞り値 f/1.4 – f/16
撮影距離 0,8 m (31.50’’) - ∞
レンズ構成 (枚/群) 11 / 9
画角 (対角線/水平線) 28.24° / 23.71° / 15.97°
最近接撮影範囲 278,85 mm x 185,61 mm (10.97‘‘ x 7.31‘‘)
フィルター径 M86 x 1.00
サイズ (キャップも含む) ZF.2: 138 mm (5.43‘‘) ZE: 141 mm (5.55‘‘)
質量 ZF.2: 1140g ZE: 1200g
マウント F Mount (ZF.2) EF Mount (ZE)
1896年にカールツァイスのパウル・ルドルフ博士が設計した対称型レンズ構成が「プラナー」。たぶん最も成功を収め、そしてその後のレンズ設計に最も影響を与えたレンズ構成でしょう。収差補正を施しやすく汎用性が高い特性を生かして当レンズの原型となるマクロプラナーは開発されました。
コンタックスの頃のマクロプラナーというのはこんな感じだった。マクロプラナーは100mmのことを言ってんだろうけど似てないよね。
現行のプラナーはこんな感じだ。
ライカ用のこれが元祖典型的なプラナーの構成だね。
左右対称のダブルガウスタイプとも言うとっても合理的で完璧に美しい構成だ。主要レンズメーカーの主力標準50mmレンズはほとんどが採用してきたまさしくスタンダードと言える構成なんだね。
オリンパス G.ZUIKO AUTO-S 1:1,4 f=50mm
まぁ、最近のレンズは複雑なのだけれど、過去のレンズ形式を組み込んでいるということも多い。これを見たから写りがわかってしまうということはあり得ないけれど、だいたいは、過去のどういうレンズを参考にどのような改良を加えようとしているのかくらいはわかる。
ダブルガウスの実際の写真の印象としては、湾曲や歪曲は少ない。大口径かが可能なので明るいレンズが多いから総じて開放は甘いけれど、多少絞れば中央部の描写は厳しくも出来、周辺部は綺麗に柔らかく溶けていくというような感じだ。ポートレイトや主題のハッキリした標準から準望遠域にはもってこいという特性を持つ。開放を積極的に使うレンズだ。
ソニーのプラナーは以下のような構成だ。まぁ、プラナーと言ってもいい構成なんだと思う。実は、85mmはミノルタのレンズに一枚加えただけの構成なんだけどね。
ツアイスブランドのカメラがあった頃のプラナーはこんな感じだ。
まぁ、なんでこんなことを書くのかというとシグマのプラナー型の50mmもソニー用はディスコンになっているのだ。
基本はダブルガウスで後玉で補正しているね。このレンズ構成図が読めるようになるとどのような意図でレンズが設計されているのかがだいたいのところ読めるようになってくるんだ。レンズの話は、難しい話が多いけどレンズの構成は比較的わかりやすいのでそのうち時間が出来たら易しく説明してみましょうね。
シグマのレンズの描写特性のデータはこれだ。左端が真ん中で右端が周辺部の性能になる。これは明暗差を表してるんだけど、上の方が明暗差がありハッキリ写るというわけだ。
このチャートから読み取れるのは絞り開放時は中央はクッキリ写るけれど周辺部はぼやけたよう溶けるように写るということなんだね。
広角レンズの構成を採ったツアイスの新しい55mmはこんな感じだ。
真ん中から周辺部まで均等に写るということを示している。
同じツアイスのプラナーでも伝統的な構成のライカ用はこんな感じ。
シグマのとよく似ているだろ?
一眼用はこんな感じだ。
というような訳で、シグマの50mmは元祖のプラナーよりもプラナーの写りの美点をよく継承しいかしているレンズなんだ。
仕様
レンズ構成 6群8枚
画角 46.8°
絞り羽根枚数 9枚(円形絞り)
最小絞り F16
最短撮影距離 45cm
最大倍率 1:7.4
フィルターサイズ Ø77mm
最大径 × 全長 Ø84.5mm×68.2mm
質量 505g
これは、2007年発売だから比較的新しいレンズだよ。
ぼくは、持ってたのだけど予算の都合で手放してしまったんだ。今から惜しいことしたってね思ってるわけ、ピントの薄い当時としては途轍もなく重い使いにくいレンズだった。でもね、これでしか撮れない絵があったのだよ。ボケ味はツアイスなんて足下にも及ばない美しさだった。なので、新品で手に入れるのか、修理はまだまだ利くので中古で手に入れるのか悩んでいるところなんだ。
ぼくは、始めて使ったカメラは聖教新聞社のニコンだったけど、初めての自分のカメラはミノルタのα7700だったのでミノルタレンズの味わいになれていることもあり、ミノルタの旧レンズは未だに愛用しているが、最近の解像度最優先の一眼レフのレンズには全く興味がない。そういう用途はオリンパスの4/3ズイコーやパナのX系のレンズの方が良いと思っている。フルサイズレンズは中央域の描写は4/3系を圧倒するが、周辺域の描写がお粗末に過ぎるので記録用途には向かない。APS-C系のレンズはまさしくその中庸をいくがどっちつかずという印象が強い。なので、ぼくは4/3がメインでフルサイズをサブとして使っている。
ちなみに、ぼくが現在一番多用する50mmはこの2本だ。
両方ともミノルタ以来の古い設計のレンズだが、最新の解像度のカメラで使っても未だ、なんの不足もない。
(@_@) 主題とはなんの関係もないね・・・まぁいつものことだけど。
どうも、最近、こういう難しい文章を書くといけない。あとから手直しすると重複も多い。年をとると話が諄くなって嫌だねぇ・・・・(>_<)
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