2014/08/12

天皇と東大 - 立花隆

  角栄擁護派のぼくの学生生活は彼の追及との格闘だったような気がする。懐かしい話だ。そのことに関しては、今でもぼくの方が正しかったと思ってはいるがそのことは置いておこう。

  その後の彼の関心の方向はぼくの関心とも全く同じ方向のものが多く嫌いな作家ではない。特に政治ネタは面白くなかったが自然科学系のものは楽しいものが多かった。宇宙からの帰還、脳を極める、臨死体験、精神と物質などなかでも、ぼくは専門の政治学よりもサル社会の権力の発生過程の方に興味があったので、京大の霊長類研究所の連中の論文を読むことの方が多かった。サル学の現在は良かった。彼はツッコミどころをよく心得ている。

そんな彼の本だが、ぼくが一番繰り返し読んでいるのが、天皇と東大と言う本だ。彼の著作のなかでは、自然科学系は旬のものと言う感もあるので、先々まで生き残るのはこの本だと思っている。
  題名は明らかに内容をミスリードしている。

内容からは講談右翼発達史とでもした方が良いだろう。
目次を見ていただいたら、だいたい推察がつくだろう。



実際のところ、これらの右翼思想の影響は、実際の影響力は在野の煽動家などの派手な活動やテロよりもはるかに大きい影響力を持った。体型的な著述が少ないなか貴重なものだと思う。


この夏は、WWI 関連の学習をすることにしているが文献が少ないのと、実際の戦史も見るべきものがない。稚拙で陰鬱な結果だけのものなので残せるものがないのだろう。なのでさしたる収穫は無い。現在でもA・J・Pテイラー、ジェイムス・ジョルのものとタックマンの八月の砲声を読んでおけば、各部レベルでは今でも十分だろうと思っている。
まあジョルの100年史、リヒトハイムのヨーロッパ文明、ボブスボームの20世紀の歴史のいずれかを読んだ方が体系的に学べるのは言うまでもない。
現在、テーマの選択をミスったので修正しているところだ。

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