研究会「集団的自衛権を考える」① 北岡伸一 国際大学学長 2014.2.21

Shinichi Kitaoka, President of International University of Japan
同研究会の初回ゲストとして、国際大学の北岡伸一学長が、安全保障論議の現状や「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」(安保法制懇)の論点などについて話し、記者の質問に答えた。
司会 勝股秀通 日本記者クラブ企画委員(読売新聞)
日本記者クラブのページ
http://www.jnpc.or.jp/activities/news...
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記者による会見リポート(日本記者クラブ会報2014年3月号に掲載)
集団的自衛権の行使 「5つの要件」を課して
集団的自衛権の行使を可能にする政府の憲法解釈の見直しは、日本の安全保障政策の方向性を定める大きな一歩となる。これまで、常に議論をリードしてきた北岡氏を「ミスター集団的自衛権」と紹介したところ、「行使には慎重であるべき。憲法解釈の見直しは、普通の平和国家を目指すささやかな数歩です」との返事が戻ってきた。
政府の有識者会議「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」(安保法制懇)の座長代理として、「理解を得るためなら、どこへでも説明に行きますよ」と低姿勢だが、会見前には、「揚げ足ばかり取られる」との本音も......。
見直し反対派が持ち出す「いつか来た道」論については、「戦前の日本は、地理的膨張への欲求が強く、周辺国や国際社会を軽視し、言論の自由もなかった。いまの日本には何ひとつ当てはまらない」と切り捨て、「それが当てはまるのは、別の国ではないですか」との解釈までつけた。どこの国を指しているのか、会場に詰めかけた誰もがすぐさま思い浮かんだようだ。
会見は終始一貫して、行使には慎重で抑制的であるべきとの立場だった。密接な関係国への攻撃、日本の安全に大きな影響、当該国からの明確な要請など、行使には5つの要件を課すべきだと言い切る。
安全保障論議はイデオロギー対立に陥りやすく、相手の意見に聞く耳を持たないと言われる。それを払拭するには、今回が最後のチャンスかもしれないと感じた。
企画委員 読売新聞調査研究本部主任研究員
勝股 秀通
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安保法制懇は4月、報告書を政府に提出する予定で、活発化する集団的自衛権をめぐる論議に合わせ、日本記者クラブでは、「行使容認」「見直し反対」の双方の意見をきく研究会を始めました。今回の北岡氏、3月6日の阪田雅裕氏(元内閣法制局長官)に続き、14日に柳澤協二・元内閣官房副長官補(安全保障)、28日に長谷部恭男・東京大学教授が登壇します。
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