太平洋戦争における人種問題: 市川 洋一, クリストファー ソーン
「容赦なき戦争」―太平洋戦争における人種差別 ジョン・ダワー とともに読まれるべきもの。
クリストファー・ソーンは、ダワー同様、異色の歴史学者だ。多分はぐれものだろう。主要な業績は市川氏によって翻訳されている。
太平洋戦争とは何だったのか―1941~45年の国家、社会、そして極東戦争 市川 洋一、 クリストファー ソーン (1989/3) ¥ 357 中古品 (38 出品)
米英にとっての太平洋戦争〈上巻〉 クリストファー ソーン、Christopher Thorne、 市川 洋一 (1995/5) ¥ 9,999 中古品 (7 出品)
満州事変とは何だったのか〈上巻〉―国際連盟と外交政策の限界 クリストファー ソーン、市川 洋一、 Christopher Thorne (1994/11)¥ 1,800 中古品 (7 出品)
戦争を主導するものは、その方向を維持するために国民の意識を誘導しなけりゃならないけれど、その実装がどういうものだったのかという話だ。
ダワーのものは内容的にも濃いものなんだけど、辛い話で長いから読み通すのが大変だけれど、ソーンのこの本は講演の起こしなので短く読みやすい。
ダワーの本については以前少し書いたのでリンクしておく。
この類いの話に関連して、記憶しておくべきことの筆頭には、ルネ・ジラール と今村仁司 の業績を上げておきたい。
どちらも、人類学や比較的新しい哲学の知識がないと読み進めにくいものではあるけれど、ふつう、今村から入った方が良いと思う。
暴力のオントロギー [単行本] 今村 仁司 (著)
排除の構造―力の一般経済序説 今村 仁司 (著)
抗争する人間(ホモ・ポレミクス) (講談社選書メチエ) 今村 仁司 (著)
暴力と聖なるもの (1982年) (叢書・ウニベルシタス) ルネ・ジラール
世の初めから隠されていること (叢書・ウニベルシタス) ルネ・ジラール
いまのちょっとした哲学ファッションのブームだけれど、1980年代はニューアカデミズムとか言うこれまたちょっしたブームがあった。まぁ、こむつかしい話は多かったけど、昨今のサルでもわかる哲学と似たようなものだ。何か残したものがあるのかというと、ただ、みなを幻惑し、走り抜けただけという印象だ。今村もその時に出てきた人ではある。山口昌男や浅田彰、蓮見重彦、柄谷行人などはさっさと忘れてしまってもいいけれど、丸山圭三郎と今村仁司の問い詰めようとしたことは忘れてはならないと思っている。
それにしても丸山と今村の死は唐突で早すぎた。ほんとうに惜しまれる。丸山、今村の業績を忘れ去らせるわけにはいかないので、何れその意義と内容を簡便にまとめてみたいと思っている。
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