消費税を巻き上げておいて、それを国民にバラマキ、経済の落ち込みを少なくするというのは、かなり馬鹿げた話だ。そうであれば、増税はないほうがいい。賢いとはいえない政府が国民から巻き上げて、うまく使うというのは、民主党時代に主張されたが、そのようなことはあり得ない。であれば、少なくとも政府よりは賢い国民にカネの使い道の選択を委ねたほうがいい。
なお、筆者は、消費税増税の実体経済への影響を▲1.5%くらいに見ている。というのは、7月29日付け本コラム(http://gendai.ismedia.jp/articles/-/36556)で、欧州の消費税増税のデータを示した。それは、消費税増税の駆け込み需要増で増税前年は+0.3%、増税時は反動で▲0.3%、消費税増税の実体経済への悪影響で▲0.8%と読める。
2000年以降の欧州の消費税増税の38回をとったわけだが、その税率引き上げは1~2%が大半である。これを日本の3%引き上げに単純に当てはめれば、増税前の駆け込み需要増+0.6%、増税時の反動▲0.6%、消費税増税の実体経済への悪影響▲1.6%となっていい。
というわけで、増税時の反動▲0.7%で政府、日銀、民間シンクタンクと同じすれば、消費税増税の実体経済への悪影響▲1.5%で何の不思議でもない。つまり、筆者の見通しは、2013年度2.8%、2014年度▲0.1%だ。
税を経済政策として使うときの原則は、景気の悪いときは減税、良くなって冷や水をかけるときは増税であり、今は増税のときでない。アベノミクスの効果は2年ほどで本格的に出るので、来年4月はまだその前だ。そのときに増税したら、離陸直後に逆噴射をした飛行機のように墜落もありえる。筆者の2014年度の見通しはマイナス成長なので墜落だ。
2013/08/15
増税にYESといわない安倍首相は正しい!消費税増税なら2014年はマイナス成長になる - 高橋洋一
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