2013/07/29

本日のお買い物

007

戦争とたたかう――憲法学者・久田栄正のルソン戦体験 (岩波現代文庫)
 久保栄正 憲法学者としては、無名と言って良い。
 戦後民主主義を担った人々にはそれぞれ生々しい戦争体験があった。憲法に対しプラスにせよマイナスにせよ共通の土俵の上に立っていたわけだ。
 ぼくらは、最高位でも桟敷席だ。土俵には居なかった。
 出征前に法学の素養を得、戦場で地獄を見た人の憲法論というものの価値は特別なものだ。ただ、法律論よりルソンでの戦場体験に重きが置かれているようなので、どこまで、憲法論に突っ込んでいるのかは読了するまでわからない。





41Tc-Xe5Q9L._SL500_AA300_ 保坂氏は高度成長の始まりを昭和35年の池田内閣の発足から説き始める。ぼくは、後藤譽之助の白書の決め台詞『もはや戦後ではない』をもって嚆矢とすると考えるが、それはまず置こう。

 ぼくは、その高度経済成長が始まった昭和35年に生まれた。もちろん、戦争が終わって15年が過ぎ戦争の痕跡など跡形もなくなっていた。

 高度成長を支えた人たちの頭の中にはもう戦争のことはなかったのだろう。ただ、その心根のどこかには先の戦争のリベンジという強烈な執念というか、そいういう思いがあったはずだと思うんだよ。

 昭和が燃えたもう一つの戦争とはそういうことではないのかと思って手に取った。まぁ、保阪氏は大学の大先輩でもあるのでほとんどの著作は、無条件で、読んでいるのだけどね。最近は、大ぐくりのテーマばかりで物足りないと思いだしている。以前は日の当たらない事件を丹念に追う歴史家だった。


 まぁ、ぼくの護憲指向は、当然、知識を得、頭で考えたことだ。いくら語ったところで、所詮、学んだことにすぎず何の説得力もない。
 ただ、ぼくには、徹底して平和を希求する使命がある。これは信仰者としての使命だ。だから、殺戮兵器マニアのぼくが言うのも何だけど、ぼくは時代が何が変わろうと、環境が変わろうとこの考えを生涯変えるつもりはない。

 また、暑い夏がやってくる。

0 件のコメント: