2016/06/10

ブルースの歴史11 シカゴブルース

シカゴ・ブルース (Chicago blues)とは、米国イリノイ州シカゴにおいて1950年頃に登場したブルースのスタイルのひとつ。主にアコースティック・ギターの弾き語りで演奏されたアメリカ深南部デルタ・ブルースエレキ・ギターを持ち込み、バンド・スタイルに発展させたものであった。代表的なアーティストにはマディ・ウォーターズが挙げられる。彼は、シカゴ・ブルース創世記にそのスタイルを作り上げた一人である。
略歴
シカゴ・ブルースの誕生の背景には、第2次世界大戦時に頂点を迎えたアフリカ系アメリカ人(黒人)の大移動がある。その流れを受けて1930年代から50年代にかけて、南部の州からシカゴへ多くのブルース・ミュージシャンが移住した。彼らが、シカゴにおいて南部のブルースに新たな息吹を吹き込んだのである。彼らはライヴハウスを始め、マックスウェル・ストリート(路上でフリー・マーケットとともにライヴ演奏が展開された)などでも演奏を展開した。路上での演奏はより大きな音を出すことを必要とし、これもシカゴ・ブルースがエレキ化、バンド化へ進んだ要因と言われている。
初期のシカゴ・ブルースにおいては、主たるリード楽器はハーモニカであった。ギターはデルタ・ブルース同様、主に伴奏楽器として使用された。しかし50年代後半、マディよりも若い世代のオーティス・ラッシュバディ・ガイマジック・サムらの登場により、シカゴ・ブルースは新たな局面を迎える。彼らは、ギターをリード楽器として前面に押し出し、それまでのブルースの概念を打ち破った。彼らのサウンドは彼らがシカゴのウェスト・サイドで主にプレイしていたことから「ウェスト・サイド・サウンド」となどと呼ばれた。以後、ギターはブルースの主たるリード楽器として、その重要性を高めていく。
1960年代に入ると、イギリスにおけるブルース・ブームなどと共に、ヨーロッパを始めより広範囲で注目されるようになり、シカゴのミュージシャンの活動の場も広がっていく。その流れの中で、シカゴ・ブルースも音の幅が広がっていった。ポール・バターフィールド・ブルース・バンドマイク・ブルームフィールドを始め、白人のプレイヤーも増えていった。エレクトリック・スタイルのブルース・バンドも増えてきたが、1965年くらいからシカゴのブルース・シーンは下火になって行く。
今日では、世代交代ともにシカゴのブルース・ミュージシャンたちも、かつてのように南部出身の層は少数派となり、都市部で生まれ育った人々が多くなっている。これに伴い、シカゴ・ブルースも多様化している。
シカゴでは、バディ・ガイズ・レジェンズ、ローザス、アーティス・ラウンジ、キングストン・マインズといったブルース・クラブで連日、ブルースのライヴが展開されている。また例年6月には、米国最大のブルース・フェスティバルであるシカゴ・ブルース・フェスティバルが開催されており、ブルースの街としてのシカゴの存在を世界にアピールしている。
レコード会社
シカゴのブルース・シーンはレコード業界の歴史でもあり、1950年代の中頃迄にはサウス・サイドにチーフ・レコード、コブラ・レコード、チェス・レコードがたちあがり、シカゴに事務所を移転してきたデルマーク・レコードヴィージェイ・レコード等が揃い一世を風靡した。1960年代末ごろにはほとんどのレーベルが大手のレーベルに権利を譲渡するか閉鎖、移転などをしている。ただ1970年代初頭にデルマークにいたブルース・イグロアがたちあげたアリゲーター・レコードがブルース・ミュージシャンの支えとなり、アリゲーターは現在までブルース音楽のトップのレコード・レーベルとして存続している。
代表的なアーティスト
シンガー
マディ・ウォーターズ
ハウリン・ウルフ
ココ・テイラー

    ギタリスト
      ロバート・ロックウッド・ジュニア
      ジョン・ブリム
      アール・フッカー
      ジミー・ロジャーズ
      ロバート・ナイトホーク
      オーティス・ラッシュ
      バディ・ガイ
      マジック・サム
      ハウンド・ドッグ・テイラー
      ルリー・ベル
      カルロス・ジョンソン
      サン・シールズ
      ロニー・ブルックス
      フェントン・ロビンソン
      ジョン・プライマー

        ハーピスト (ハーモニカ)
          サニー・ボーイ・ウィリアムソンII
          リトル・ウォルター
          ジェイムズ・コットン
          ジュニア・ウェルズ
          スヌーキー・プライアー
          ビリー・ブランチ
          シュガー・ブルー
          ポール・バターフィールド

            ピアニスト
              パイントップ・パーキンズ
              サニーランド・スリム

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