2013/11/07

「サイバーセキュリティ」① 土屋大洋 慶応大学大学院教授 2013.1.25

「サイバーセキュリティ」① 土屋大洋 慶応大学大学院教授 2013.1.25

jnpc

公開日: 2013/01/27

Motohiro Tsuchiya, Professor, Graduate School of Media and Governance, Keio University
研究会「サイバーセキュリティ」の第一回目。「サイバーセキュリティと国際政治」のテ­ーマで、土屋大洋・慶応義塾大学大学院教授が話し、記者の質問に答えた。
司会 日本記者クラブ企画委員 杉田弘毅(共同通信)
土屋教授のホームページ
http://web.sfc.keio.ac.jp/~taiyo/inde...
日本記者クラブのページ
http://www.jnpc.or.jp/activities/news...
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記者による会見リポート(日本記者クラブ会報2013年2月号に掲載)
サイバー空間も新たな作戦領域 情報の安全保障を
 土屋大洋・慶応大教授が、「サイバーセキュリティーと国際政治」をテーマにクラブで研­究会を行った。土屋氏の近著『サイバー・テロ 日米VS中国』(文春新書)は刺激的なタイトルだが、2010年にイランの核施設のコ­ンピューターをウイルスに感染させて破壊したのは、米国とイスラエルとの共同作戦だっ­た、と米紙に報じられる今日、陸海空と宇宙に加え、5つめのサイバー空間も新たな作戦­領域になっているという。土屋教授は「5つの作戦空間のうち日本が最も他国からの攻撃­にさらされているのがサイバースペースだ」と指摘する。
 日本でも、米マイクロソフトのOS「ウィンドウズ95」の発売をきっかけにした爆発的­なインターネットの普及を背景に、セキュリティーの甘いコンピューターネットワークを­狙ったネット犯罪が多発。00年2月には不正アクセス禁止法が施行された。同年1月、­同法の施行直前に中国を経由した何者かによって中央省庁のウェブサイトが次々に改ざん­された事件は、政府機関へのテロの脅威を強く認識させた。土屋教授によると、日本政府­が国家安全保障上の問題と認識して対応に本腰を挙げたのは、09年に米韓で政府関係の­サイトが大規模な攻撃を受けた後の民主党政権になってからだという。防衛省は「サイバ­ー空間防衛隊」を創設するという。
 「スパイを(事前に)しっかりやっておかなければインパクトのあるサイバー攻撃はでき­ない」。土屋教授は、そう言い切る。サイバー攻撃は犯罪なのか、戦争なのか。テロなの­か。対処する機関も異なってくるが、それをどう判断するのか。そもそもサイバー空間の­通信には領海のように無害通航権があるのかないのかもはっきりしておらず、法的な基盤­は未整備だという。
 土屋教授は「情報による安全保障は、平和憲法を持つ日本にとって不可欠だ」と強調した­。
毎日新聞社会部
臺 宏士

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