2016/09/23

α99ⅱ 雑感 その2

α99ⅱの美点はAFにあることは前回書いた。
連写性能もあがるらしいが、それはぼくの興味の埒外だ。
そういう人も多いと思う。

問題はだ、ソニーには35mm版、デジタルカメラ版ともに同じフォーマットを持つEマウントがあるということだ。
フォーサーズのオリンパス、パナソニックともに同じフォーマットで眼レフからミラーレスに移行したのち、眼レフカメラからは撤退した。新しいマイクロフォーサーズ規格ではそれ以前のフォーサーズ規格のレンズも使える。まぁ、文句を言う人もいたけれど、概ね、粛々と移行できたのだと思う。だから、正式な打ち止めのアナウンスはなく古いレンズも売られてはいるが、カメラは事実上新しいものは出ていない。今や、それで文句を言う人はいない。他のカメラメーカーではAF移行時に従来のシステムと全く互換のないものを発売すると言う半ば従来の客を斬って捨てるようなドラスティックな施策を実施したところもある。大胆不敵なことだ。それと比べるとかわいいものだ。

翻って、ソニーの立ち位置は、ユーザーにとっては有り難いことなのだが、メーカーにとっては非常に負担の大きい戦略を取っている。Eマウントがここまで充実し互換性も確保できている今となってはそこまでする必要があるのかと言うことが気にかかるのだ。儲かってるのならいいと言う問題ではないと思う。結果フォーマットが同じでシステムが全く違うものを開発し続けると言うのは、部門にとっては大きな負担だろう。一本に絞ればもっと前に進める。

システムとしてのAマウントとEマウントの違いはEマウントはミラーレスなので本体内にレンズからの像をファインデーに反転して送るためのミラーとペンタプリズムが入らないことだ。なのでカメラの奥行きと頭のてっぺんの三角の出っ張りが要らなくなると言うことに尽きる。では、どのようにして撮影対象見るのかと言うと、撮像素子に映る実際カメラが感じとる像をファインダーの液晶に表示すれば良いだけだ。一眼レフタイプは、レンズ・プリズムを介して光学像をファインダーで見る。カメラが感じたものではなくレンズが感じたものを反転して見ているだけだ。なので実際に映る像を見ているわけでは全くない。

撮像素子で見ると他にも利点がある。ピント面を拡大したり、色調の確認も撮影前にできると言うことだ。写す前に結果がわかるわけだ。結果もファインダ内に表示することもできる。眼レフでは撮影後モニタで確認する必要がある。
ここまでは一般的な話でソニーの眼レフに似たAマウント機は実は眼レフではない。ミラーが眼レフのように一枚取るたびにパタパタしたりしない。透明の薄膜が斜めに閉じたままなのだ。

Eマウントはこの斜めのミラーとペンタプリズムが不要な分、カメラを薄く背が低く出来る。ただ、レンズ後端から撮像素子までの距離が短くなるためそのままでは従来の眼レフのレンズは使えない。ただ、下駄を履かせて距離を合わせてやれば使用可能だ。逆に旧システムに新システムのレンズを使うことは全く不可だ。よって、AFのシステムが違うので違和感なくと言うわけにはいかないが撮影性能的には何の問題もなくEマウントでAマウントのレンズは使用できる。
ミラーレスは小型軽量を売りにして来たので額面通りとはいかないが、複雑な機構が省ける分コストも信頼性も上げることができる。近い将来、シャッターもグローバル化されるとメカシャッターも要らなくなる。ホントはもっと小型化できるわけだけど今以上にするともはや小さすぎて構えられなくなるだろう。一眼タイプは、もはや、あまりびっくりするようは性能向上は見込めないが、ミラーレスにはまだまだ改善の余地がある。

このように考えると利点が目につく。不利な点もなくはない。像を液晶表示するのでCPUに処理が回るたびにカメラの処理が遅れる。連射追従性が悪いのだ。あと、電力消費が多い割にガタイが小さいので電池が持たない。光学像の方が気持ちよくて、液晶像は気持ち悪いという意見は最近聞かなくなった。まぁ、その程度だ。ソニーは眼レフタイプも光学像を見せないカメラだ。
よって、ソニーがAマウントにこだわる理由などほとんどない。過去の資産を持つユーザーが困るのだが、十分に救済措置はとって来ていると言える。

現在、ソニーのEマウントは仕様が公開され他のレンズメーカーの製品参入を歓迎している。現状では、国内の主要なレンズメーカーはほとんど参入もしくはその予定で、海外のメーカーも次々と参入している。一方、Aマウントはシグマが事実上の撤退状態だ。システムの将来性を読んでのことだ。

ぼくが気にしているのは、カメラのフォーマットが今後35mm版が主流になりつつあると言うことだ。35mm版のシステムを持たない国内のメーカーがある。オリンパス、フジフィルム、パナソニックだ。フジフィルムは、先般、より大型の中版システムを発表した。デジタル版との違いがわかりやすいいい選択だと思う。問題は、フォーサーズ規格のオリンパスとパナソニックだ。フォーサーズ規格は素子が35mm版の1/4しかないので、今の2,000万画素を超えていくのがかなり苦しくなっている。素子をずらして超解像などという裏技を駆使したりしているがそれとてノイズ耐性、ダイナミックレンジでは35mm版には敵わない。35mm版でフォーサーズと同等の画質で良いのなら8,000万画素は今すぐ可能な性能だ。フォーサーズ陣営もさすがにこのままではまずいことになるだろう。
と言うことで、二社はいずれ35mm版に参入することになるだろう。フォーサーズ規格との違いも明瞭になるので35mm版を持てばソニーのシステムより幅広い表現が可能なシステムとなる。
この時、フォーサーズ陣営はフォーサーズ規格を斬って捨てるのかと言う決断を迫られるが、フォーマットの違いが明瞭なので切る必要は全くないだろう。違う用途に使える。現にぼくの使い方がそうだ。

そこで、35mmに参入するときにどういうマウントにするのかだ。独自マウントでやるというのには凄まじい労力が必要となりシステム完成までにかなり長期間がかかるだろう。マイクロフォーサーズ規格にはそれなりの大義名分があったが35mm版にはそれがない。
ニコンやキャノンのマウントというのはありえないだろう。ペンタというのも渋すぎる。ライカのMマウントというのも変だとなると残るはオープン規格のEマウントがあるじゃないか!ということになりはしないだろうか?
オリはソニーと縁戚関係にあるので、オリはレンズを供給しソニーはカメラを供給すれば相乗効果がある。パナもミノルタの開発陣がかなり移籍しているので、今の関係が良好かどうかは知らないが縁戚関係にある。そう考えると、オリンパスとパナは、早晩Eマウントに参加するのではないかと推測している。そうなるとぼくの使っているシステムは一つの陣営に収斂していくのではないかと予想している。そう思うのはぼくだけだろうか?身贔屓が過ぎるだろうか?





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