2016/04/21

新しい左翼入門(講談社現代新書) ― 松尾 匡

 ぼくは、左まきだろうと思われているようだが、考え方だけをとらえればその通りだ。ただ、渡世の義理で共産党とは天敵のような関係だ。

 それにつけても、成り行きに任せるような組織運営というのはどう考えても無理があると考えている。一番懸念するのは資源が有限であると言うことだ。金のあるやつが全て決めちゃうと言うのは問題があるだろうというのが一番。これは国内の問題に限らず国際関係においてもというか国際関係においての方が問題は大きくなる。規制をせずに金のあるやつだけが決めるのは、社会の安定のためにも良くないと考える。希少資源の配分が金だけで解決できない時代がすぐそこまで来ているという判断だ。

 ただ、そういうことになれば、どうすれば良いのかというと、単純なことで、みんなが集まって知恵を出してよく考えて決めなければならないと言うことだ。ということは、完全な自由主義よりも、何らかの統制された社会運営が必要と考える。これははっきり言って闘争だ。

 ただ、昨今の右だ左だの話は、基本的な歴史的な遺産に対する素養を欠いたままのレッテルに過ぎないものになっていて、そういう人と話すのは非常に面倒くさくて顔を洗って出直してくれと言いたいことが多い。

 ならば、いわゆる左翼の概要だけでも知ってもらうのはどんな本を読んでもらえば良いかというとはたと困るのだが、この本でも読んでねと言うことにしておこうと思う。

 新しいは左翼にかかっているので、新左翼の入門書ではない。古典的な左翼の入門書だ。

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新しい左翼入門(講談社現代新書) ― 松尾 匡

内容紹介

日本の近代から現在までの左翼活動の流れは、理論派と行動派の「二つの道」の相克にあった。個人が公共的で自立した社会を築くには
【目次】
「第1部 「二つの道」の相克史 戦前編
第一章 キリスト教社会主義対アナルコ・サンジカリズム――明治期
第二章 アナ・ボル抗争――大正期
第三章 日本共産党結成と福本・山川論争――大正から昭和へ
第四章 日本資本主義論争――昭和軍国主義時代
第2部 「二つの道」の相克史 戦後編
第五章 共産党対社会党左派・総評
第六章 ソ連・北朝鮮体制評価の行き違い軌跡
第七章 戦後近代主義対文化相対主義――丸山眞男と竹内好
第3部 「二つの道」の相克を乗り越える
第八章 市民の自主的事業の拡大という社会変革路線
第九章 「個人」はどのように作られ、世の中を変えるのか

内容(「BOOK」データベースより)

なぜ理想は対立するのか。荒畑寒村、山川均、大杉栄、丸山眞男等思想史を代表する知識人が、マルクス、レーニン等の影響下、どのように社会活動を議論したのか―。社会を変革しようとした男たちを全く斬新なアプローチでヴィヴィッドに描く痛快社会学。

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