2013/11/12

「サイバーセキュリティー」⑥ ブライアン・パルマ ボーイング社バイスプレジデント(サイバーセキュティー担当)2013.7.24


「サイバーセキュリティー」⑥ ブライアン・パルマ ボーイング社バイスプレジデント(サイバーセキュティー担当)2013.7.24

jnpc
公開日: 2013/07/25
Bryan J. Palma, Vice President, Cyber & Security Solutions, Boeing
ボーイング社のブライアン・パルマ・バイスプレジデント(サイバーセキュティー担当)­が、サイバー技術者の訓練やシミュレーション分野などにおける同社の取り組みやサービ­スについて話した。
司会 日本記者クラブ企画委員 杉田弘毅(共同通信)
通訳 高松珠子
日本記者クラブのページ
http://www.jnpc.or.jp/activities/news...
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記者による会見リポート(日本記者クラブ会報2013年8月号に掲載)
サイバー戦争 防御と攻撃は表裏一体
米ボーイング社と言えば、軍用、民間問わず航空機メーカー、あるいは世界のトップ防衛­産業として知られる。今は防衛の喫緊の課題であるサイバーセキュリティにも力点を置く­。
パワーポイントを使った話は分かりやすかった。政府組織や企業に対するサイバー攻撃の­80%は一般的なソフトウエアで阻止できるが、残り20%をどれだけ食い止めるかで、­「勝者と敗者が決まる」。
ボーイング社の企業向けサイバーセキュリティ・サービスはこの20%の対策のために、­①攻撃の評価②攻撃を予測した訓練③実際の攻撃の予防─を提供する。特に重要なのは②­の攻撃を予測した訓練だ。徹底したシミュレーション訓練で予防するスキルを身に付ける­。
米大統領らを守るシークレット・サービスの特別捜査官をしていた経歴を持つだけに、「­訓練こそが上達の手段」という言葉は迫力がある。
しかし、この20%の阻止は簡単ではない。対策を新たに打ち出しても、敵はさらに新し­い攻撃方法でそれを打ち破るというイタチごっこの世界だ。
実際に攻撃があったことが分かるのは、攻撃初日から平均して156日後。この間被害者­は攻撃されたことも分からずに、ネットワークは機能を失いデータを盗まれる。
悪化するサイバーセキュリティ環境を改善する決め手は教育だ。サイバー教育、サイバー­倫理などを子どもの頃から教えることで、サイバー攻撃の犯罪性を意識させる。ボーイン­グ社も福島県・会津大学のサイバーセキュリティ人材育成講座に、人災トレーニング演習­装置「クライアブ」を提供し、技術協力を行う。
「サイバー戦争」といった感のあるデジタル空間では、「防御という名の下でほとんど攻­撃と呼ぶべき行為も行われている」と語った。「攻撃と防御の線引きが難しい」この世界­の出現に向き合う新たな安全保障政策づくりが迫られている。
企画委員 共同通信編集委員室次長
杉田 弘毅

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